月別アーカイブ: 2011年2月

「いつくしみ深き」

中学時代に音楽の授業を教わった先生は数学の先生でした。田舎の小さな学校では音楽の専科の先生なんていなかったんですよね。今考えると、この先生の音楽の授業はかなり我流だったと思います。民謡なんか口移しで教えてくれました。

「南部牛追い歌」・「ひえつき節」

なんかが記憶に残っています。それから韓国民謡の「アリラン」なんかも。
教科書に載っていた曲で「星の界」というのがありました。きれいなメロディーが印象的で、私を含め周囲の人達も好きになったようすでした。

月なきみそらに きらめく光
・・・・

合唱で歌ったわけではないんですけどね。楽譜もそうではなかったな。
先日、2月の合唱の集まりの残った人達で最初に唱った曲が「いつくしみ深き」。このメロディーは「星の界」と同じで、学生時代はじめてこの讃美歌を唱った時は驚いたものです。いまではハーモニーの響きで歌うこの曲しか考えられないのですが、昔歌った記憶は単旋律でも不思議ときれいなハーモニーで唱ったような感覚で記憶しているものですね。

その2月の合唱もよくハモりました。このところの国分寺の合唱、かなりの充実ぶりです。

○○子の願い

 コーラスすること、それは私の前からのあこがれでした。でも今まではいろんな事情で環境からなかなか入る機会がありませんでした。それが幸か不幸か心がけがよかったのでしょうか私の理想とするもっともすばらしいコーラスグループに入れていただき今までの願いが一気にかなえられたような気がします。入会当時は何がなにやらさっぱりわからず歌うこと自身楽しいというより辛いもののように感じられましたが今は毎週日曜が楽しみになってきました。
 そしてコーラスというものは歌えば歌うほど味のある美しいものであることを知りました。これから先生のいつもおっしゃられるようにほんとうの日本一いや世界一のコーラスグループとなるよう皆様と一緒にがんばりたいと思っております。
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                                   「みちのく」第2号より

ブログ記念日

 私のブログも今日で5周年を迎えました。ちょうど同じ頃ブログを始めた友人がいます。きれいな写真を載せた友人のブログ、あこがれでもあります。でも「わたしのも結構個性的かな?」なんて自負しているのですがどうでしょうか。
 ブログを始めたのは、何よりも私が出会った分離唱の合唱のことを書きたかったから。「私の音楽ノート」というカテゴリーの記事が100件超となり、これは少し整理する必要があるかなと新しいカテゴリーを設けました。その名も「梨大合唱団」。私の初期のブログを読み返して移しています。ちょっとは読みやすくなるかな。
 でも過去のことばかりでなく、最近は国分寺の分離唱の合唱にも喜びを感じています。マイブログの新たな年、これからもよろしくお願いします。

「宮廷道化師 ミムス」

ミムス「宮廷道化師 ミムス」
リリタール 作、 木本 栄 訳

この本を先週末から読み始めました。王子さまで育った主人公のゆったりした話しで始まったのですが、それから急転直下のどん底に転落。このあたりからはもう話しの中にひきこまれて・・・・。あまりあらすじはやめておきましょうね。

昨日の人間ドック、この本を持っていって検査と検査の合間、食事の時間、それから医師の面談までの待ち時間、バリウムをスムーズに出すようにと傍らにほうじ茶をおきながら読みふけりました。おかげでこの日読了、久しぶりに話しの世界に没頭しました。

元はドイツの小説、言葉のやりとりの機微で生活の糧を得ている道化師、その会話の諸々をうまく翻訳するのは大変なことだったんでしょうね。訳本の多くは読みにくいものですが、翻訳とは思えないような文章に引き込まれました。満足・・・・。
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人間ドック

 今日は一日人間ドックでした。飲酒を減らしてほぼ毎日のウォーキング、でも何か出てこないかと心配になりますね。
 様々な検査も11:30には終わってあとは昼食、それから医師による面談が3:10、待ち時間が長いですよね。でもその間にウォーキングフォームの指導を受けることができました。右肩上がりになる癖、今回も指摘されました。わかってはいるんですけどね、日常生活の中でそんなに意識できないですね。あとは、
    ・お腹が出ない姿勢
    ・腕を振って
    ・視線は高く
また意識して見たいと思います。

 面談では検査項目すべてを順を追って一通りコメントをいただきました。ほとんどは標準値の範囲内、1項目だけその範囲を超えたものがありましたがでもまったく問題ないとここと。最後にいただいたコメントは、
    「精密検査を要する項目はありませんでした。」
この言葉に嬉しい気持もあるんですが・・・・、でもね、
    「あなたは何も問題ありません、健康体です。」
なんて行ってもらえたらな、私の中ではいっぺんに名医になってしまうんですけどね。(笑)

雪2月15日
このところ山梨も続けざまに雪が降っています。昨晩から降り始めた雪で今朝はこの通り。二十数㎝、山梨もすっかり雪国になってしまいました。そういえば「雪わたり」を読んでからのような・・・・(笑)。
今朝は起きてすぐに1時間ほど雪かきをしました。こんな小さな分譲地にも除雪車がサーッと1回まわってっくれました。ありがたいですね。

雪わたり

雪わたり
家内が友人から宮沢賢治「雪わたり」を借りてきました。
絵本というのはものによっては何回も再版され、その際に画家も変わってしまうこともあるようです。この本の画は堀内誠一さん、かわいい画ですね。1969年初版の本ですから多分今では違う画のものが出版されているんでしょうね。
お話しは北国の冬の景色、一面が雪に覆われて子どもが歩きまわれるほど表面が固く凍ってしまっている情景をうまく描いているものだと感心してしまいます。キツネと交流する様がほほえましいですね。「幻灯」というのがまた忘れかけた言葉でした。
動物と自然と人間の子どもの交流、「どんぐりと山猫」にも同じ雰囲気がありますが心温まる賢治独特の世界ですね。
「キックキックトントン、キックキックトントン。」
が繰り返し登場し、最後には
「キックキックキックキックトントントン。」
とキックが4回、トンが3回。不思議な何ともいえないリズムがお話しの中に心地良く流れていて、印象的な絵本でした。

ハモる楽しさ

ハモる楽しさ
 一歩進む時二歩があとからついてくる。歩みをとめずいつまでもいつまでも・・・・ボク達が何か一つの目的をめざして歩もうとする時にかならずや、けわしい路に直面するでしょう。その時にその路をこえるにはその人の強い意志を必要とするのである。苦しい時ほど歩みをとめてはいけない。苦しさのむこうでは楽しさがあなたを待っていることをわれれずに。
 合唱の楽しみは全くこれと同じことが言えるとボクは考える。だから今自分が苦しい道を歩んでいると気がついた時その人はもうすぐ楽しみが味わえる時なのです。
がんばってがんばって・・・・。
 わかったようなことを書いているボクは実はまだみちのくに入団して三ヶ月、自分ではどれだけ進歩したのかわからないのである。なぜなら、今だに楽譜が読めないからである。寮に帰って練習しようと教科書を開いてみるのであるがどうしても音が取れないのである。しかし不思議なことに日曜日みんなに混じって歌い出すと自然に音が出ているのである。こんな人はボクの他にも居るのではないでしょうか?そこでボクは自分に都合の良いように解釈しているかも知れないけれど、これをハモルというのだと決めてしまっただけれどいかがでしょうか?
 合唱の本当の楽しみは楽譜を読めること以上にハモルことであると考えるのであるが・・・・だとしたらボクは立派に合唱を楽しんでいるのだと思う。ボクは日曜日を楽しみにしている。いや毎日が楽しい。というのはボクの心の中にはいつもメロディーが流れているからである。そっと耳をかたむけてごらんなさい。聞こえるでしょう、ブラームスの子守歌が・・・・・・・・。
                                   ニックネーム『ボン』
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                                   「みちのく」第2号より

「えりも岬に春を呼べ」

 NHKアーカイブス選という番組をみました。過去に放送されたNHK番組ビデオライブラリーな中から著名人が推薦するものを放映するというもの。選ばれた今回の番組は、
     「プロジェクトX・えりも岬に春を呼べ」
 かつて豊かだったこんぶ漁の漁場だった襟裳岬が、海岸の広い範囲が砂漠化してしまって良質なこんぶが穫れなくなってしまった。漁業者の方々の何十年という気の遠くなるような奮闘で森が再生し、海も再生したというもの。約1時間、見入ってしまいました。
 「襟裳岬」という有名な歌、この曲がヒットした頃この地の人達は失われた自然を回復しようとしていた時でした。「襟裳の春は、何もない春です」という歌詞に傷つけられたとのこと。どこの地にあってもそこに住む人達の感情があり、大ヒット曲もその地の人の心を傷つけてしまうんですね。
 そこに生活している人達の強さ、すごいですね。陸の自然破壊が海にも深刻なダメージを与えること、自然破壊は大きな工事でなくても起こるしその回復は気の遠くなるような時間と努力でしかできないことを改めて感じました。そして回復がみえてきた頃、番組の最後にはこの地の方々が高らかに「襟裳の春は、世界一の春です」と歌っていました、感動的でした。

この喜び

この喜び
                              
 誰に告げよう門限を気にしなくてよくなったこのよろこびを・・・・。
きっと誰もこの私の気持を理解してくれないだろうと一人合点をしてたのはうかつだった。
時は三月二十二日「ひし川」の二階で一同は退寮した私を拍手で祝ってくれた。私はこの拍手に興奮で染まった頬に手をあて返す言葉もなくうなだれた。想えば日曜の夜は時間との戦いだった。歩いて十分の距離を四分で走らなければならないのだ。高校の運動会以来全力疾走を味わっていない私は痛む横腹を押さえながらことされ肩に重くなってくるオーバーを気にしつつ走ったものだった。私の靴音を背に受けて前を歩いていた人が路を広くあけてくれた事もあった。家の玄関に着くや乱れた呼吸を整え青ざめた顔色を気にしつつ遅れた理由を云うべく舎監室のドアをノックするのが常だった。舎監は『以後この様な事のない様十分注意しなさい』と言葉少なに言うだけだった。副寮生長という立場にあった私はこの模範ならざる自分の行動を恥じ何度その役を辞退しようとしたことか・・・・・・・
でも退寮した現在心ゆくまで時間を気にする事なく心を入れてうたう事が出来る事は本当に大きな喜びです。
 この体験は私にとってマイナスではなかったと思ってます。
たとへ退寮したにせよ寮に居た時と同様規律正しい生活を送りたいと思ってます。
                               以上、「みちのく」第2号より
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 週1回夜行われる合唱の練習、寮の門限を気にしながらもギリギリの時間まで練習して飛び帰る。舎監さんに度々怒られながらも毎回のように・・・・、そして退寮。合唱がこの方の心を捉えていたんですね。そんな合唱への思い、心に占める大きな存在、うらやましくもあります。
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