月別アーカイブ: 2017年10月

「風が吹いたり、花が散ったり」

風が吹いたり「風が吹いたり、花が散ったり」
朝倉宏景
講談社

 亮磨は居酒屋チェーン店19歳のフリーター。ある日地下鉄のホームで不注意から白杖をもった若い女性を倒してしまう。助け起こしたこの女性に盲目マラソンの伴走を頼まれたことから、亮磨の生活に変化が始まる。
過去の過ちを引きずっている若者が視覚障害、発達障害を抱える友人、同僚との生活の中で徐々に前を向いて行く、読後は満たされる小説でした。

(21.2k)

「僕は上手にしゃべれない」

僕は上手にしゃべれない「僕は上手にしゃべれない」
椎野直弥
ポプラ社

 中学に入学した吃音症を抱える主人公、人前で話すことに恐怖感をもっていてホームルームでの初めての自己紹介も保健室へ逃げてしまう。「話すことが上手になれる」という誘いで放送部へ入部。優しい先輩、親身になってくれる同級生、家族、先生といろいろな人の温かさの中で抱えているものに向き合っていく。

主人公の心の内をよく表現しているなとも感心してしまいました。よい本に出会えました。

分離唱の合唱in国分寺(10月)

国分寺の合唱がありました。先月は台風の進路予報から欠席でしたので2ヶ月ぶり、今回はS:2,A:3,T:4,B:2の11名、今回もちょっとこじんまりでした。

いつものようにまずは分離唱から、続いて讃美歌。最初からいい響き。

しずけきいのりの
しずけきかわの
ガリラヤの湖畔
主よこころみ
かみともにいまして
かいぬしわが主よ
やさしくともをむかえよ
こころのおごとに
ひとたびはしにしみも
むくいをのぞまで

つづいて混声合唱曲集Ⅰから、

すすき
よしきり
光のお宮
われは幼く
遠くのお山
空しく老いぬ

休憩時間には小休止の後、男声合唱と女声合唱

Adoramusu te
今は若き子

 水車
茨垣
夕の鐘

練習後半はまずは、

渓川したいて

続いて混声合唱曲集Ⅱから、

祖母の小箱
はるかに
雲雀
うぐいす
アヴェ・ヴェルム・コルプス
Lo, a voice
夏の夕べ

今回は梨大合唱団の1984年の合宿に見学に見えたという男性が参加されました。その時の録音を長年大事に聴いてきたのですが、テープが壊れてしまい聴けなくなったところに梨大CDの情報。そこでCD店に問い合わせたり大学に問い合わせたりしたそうです。そんな経過を経てこのブログにたどりつき、先生のお宅から直接購入。よく聴いていただいてるそうです。そして今回の合唱に見えたのです。私たちと同じようにハーモニーをよろこび楽しんでくれる方と一緒に過ごせる時間、嬉しい時間でした。

練習後のそんなKさんのお話しを伺った後はやっぱり讃美歌、

「『夜はふけわたりぬ』が好きなんですよね。」

なんてうかがったり『ガリラヤの湖畔』をリクエストされたり、もちろん私たちのリクエストも交えてしばらく讃美歌を楽しんできました。

(21.0k)

「嵯峨野花譜」

嵯峨野花譜嵯峨野花譜
葉室 麟
文藝春秋

少年僧:胤舜は大覚寺花務職:広甫の弟子。若年ながら兄弟子達にも活花の才では一目置かれている。父・母と一緒に暮らせぬ宿命をを負った少年僧が、降りかかる難題を活花をとおして乗り越えてゆくおはなし。華道の世界を映像でなく文章で美しく表現しているなと思いました。
胤舜という名前はたしか「宮本武蔵」にも出てきましたよね。奈良の棒術の達人僧でした。「どうして同じ名前を使ったんだろう?」なんて考えてしまいます。
武家の世界を描くことが多かった葉室作品ですが、一つ新しい世界を開いたのでしょうか。章ごとの小見出しを飾るモノクロで描かれた花のページもまたいいなと思いました。

「静かな雨」

静かな雨

「静かな雨」
宮下奈都
文藝春秋

勤務先が整理されることになり、暗いおはなしの滑り出し。でもその帰りにパチンコ屋の駐車乗で発見した屋台のたい焼きやさん、感じのいい女の子のお店でたいやきがまたおいしい。

 再就職が決まり、たい焼きやさんにも通うようになり、その女の子との距離も縮まってきたと思うころ、女の子は事故にまきこまれてしまう。病院で眠り続ける女の子を見舞いに通う主人公、・・・・。

 なかなかいいおはなしでした。

「今月の一曲」更新しました

「今月の一曲」を更新をしました。
更新のペースが落ちてしまい、これでは「今月の・・・・」にはならないな。

今回更新した曲は「ピクニック」です。録音は古いですが男声合唱の楽しい録音、お楽しみ下さい。

今月の一曲
http://susuki.chips.jp/?page_id=5915