カテゴリー別アーカイブ: 工芸品:鏝絵

「火とぼしの道の鏝絵を巡る」

鏝絵巡りシリーズ第14回
「火とぼしの道の鏝絵を巡る」

のウォーキングがありました。今回私は企画側。

茅野駅に集合して、路線バスで縄文の湯バス停下車、ここがウォークのスタート地点です。駅では会員11名、一般参加1名の計12名がバス乗車。バスから降りるとFさん夫妻が待ち構えていて、今日は計13名でのウォークです。

 

Imgp3403駐車場で準備体操をした後ウォークスタート、今日はウォーク日和。

Imgp3404まずは八ヶ岳に向かって東進。車道の脇にこんなお洒落な歩道が、木陰が嬉しい。

 

Imgp3406エコーラインに出て右折、しばらく南へ進みます。背後に見えるのは車山・蓼科山など。


Imgp3407上場沢交差点を右折、すぐに脇道へ。ここからは未舗装の道。でもこんな道が嬉しい。


Imgp3408林間の道は涼しい。みなさんに喜んでいただきました。


Imgp3411
上場沢集落にでてすぐに鏝絵登場、これは大黒様。(写真をクリックして拡大写真をご覧ください)

 Imgp3416軒下に薪を積み上げた蔵がありました。この蔵の前には馬頭観音と千手観音、そして蔵の丑鼻には鶴亀の鏝絵(リンクをクリックして拡大写真をご覧ください)

 

Imgp3417この蔵には大黒様。(写真をクリックして拡大写真をご覧ください)


Imgp3420集落の中を上って、


Imgp3424これはまた新しい蔵。両面に鏝絵、東は大黒、西は。そしてハチマキ部にもカラフルな若葉でこちらはグラジオラスのような花が描かれています。(それぞれリンクをクリックして拡大写真をご覧ください)


Imgp3428珍しい八重のオダマキに思わず立ち止まり、パチリ!

Imgp3430前方左手に大泉山。この右手には小泉山があり、双方の山の頂上で行なわれるどんど火焼きのような子どもたちの行事が「火とぼし」。


Imgp3434上場沢集落を後にして県道17号(茅野北杜韮崎線)を南へ。後方は霧ヶ峰高原。

Imgp3436大日影集落着。県道沿いの蔵にある「大黒様」。


Imgp3437県道東側集落にはいってしばらく進むと双体道祖神を発見。仲良く手をつないでいてほのぼの、いいですねこういうの。


Imgp3454更に進むと立派な鏝絵蔵があります。東西の丑鼻にそれぞれ「大黒様」と「恵比寿様」。ちょうど家の方がいましたので庭に入らせてもらって虹梁の亀をたくさん配した鏝絵、その木口部には東は「牛と馬」、西は「うさぎ」を見せていただきました。牛馬は珍しい!(それぞれリンクをクリックして拡大写真をご覧ください)


Imgp3452 すぐ隣の蔵にはきれいな「月に亀」がありました。(写真をクリックして拡大写真をご覧ください)Imgp3456引き返して先ほどの蔵の前で集合写真

 

Imgp3459下見ウォークでは気づかなかった鏝絵も発見、こちらは「大黒様」。

 

Imgp3462大日影集落を後にして県道に戻ります。



Imgp3467県道沿いで目にする大きな土偶の像。ここは体験工房のようなものでしょうか。建物の軒下にはこんなものも。(写真をクリックしてご覧ください)

 

Imgp3469御作田集落にはいりました、ここは「鶴と亀」。


Imgp3470お洒落な表札(?)。いいな、こういうの。


Imgp3473皆さんが見上げているのは・・・・ (写真をクリックしてご覧ください)
Imgp3474 こちらは道路から遠いのだけど、・・・・ (写真をクリックしてご覧ください)

Imgp3476午前の部の鏝絵は見終わり、トイレを求めて(笑)上り坂を。美事にカーブした多留姫大橋の下に、

Imgp3478目的の昼食場所:「多留姫文学自然の里」に到着。

 Imgp3484公園内で集合写真、そして午後の部スタート。

 

Imgp3485これは大きな蔵。立派な覆いが施されていると、「どんな鏝絵が?」と期待してしまいます。この蔵には大判の「鶴と亀」。(写真をクリックしてご覧ください)

 

Imgp3491この道が「火とぼしの道」。左に見えるのが小泉山。

 

Imgp3498古田の集落にはいりました、ここも鏝絵処。この蔵には東西の丑鼻に「大黒」・「恵比寿」、そして虹梁の「波に亀」、木口部分には「鶴・亀」が配されています。(それぞれリンクをクリックして拡大写真をご覧ください)


Imgp3499蔵の形に合わせてきれいに切りそろえられた生け垣。

 


Imgp3500火とぼしの道沿いに鏝絵蔵が2棟。こちらは「大黒様」(写真をクリックしてご覧ください)


Imgp3504こちらも「大黒様」(写真をクリックしてご覧ください)

Imgp3506この蔵は先ほど生け垣をきれいに刈りそろえてあった蔵の反対面、おなじみの「大黒様」です。


Imgp3507再び集落に入って、こちらも「大黒様」。

Imgp3509大黒様は人気No1です。


Imgp3512ちょっと肥満気味な「うさぎ」


Imgp3515ピンクのルピナスは珍しいとの声


Imgp3516小さな蔵ですが両面に鏝絵、こちらは「SA」とアルファベットは入っています。どんな意味があるんでしょうか?反対面は「波に千鳥」。(写真をクリックして反対面の鏝絵をご覧ください)


Imgp3524

こちらの蔵にも「大黒様」。古いものでしょうか、大分色褪せています。(写真をクリックして鏝絵をご覧ください)

 

Imgp3520南向き斜面に沿って家並みが続き、斜面の付け根に道路が延びています。

Imgp3530下古田にある真徳寺の立派な建物。ゴールはもうすぐ。

 

Imgp3532ユニークな形の「にゅう」が3体。おもしろい。

Imgp3540着きました、ゴールの理科大バス停。余裕を持ってウォークを終わることができました。

ほぼほぼ緩やかな下り坂の今回のコース、ゆったりと完歩することができました。風もないおだやかな日でよかった。参加のみなさん、ありがとうございました。またサブのMさん、お世話になりました。

ツツジとシャクナゲ

白州町台ヶ原駐車場に車を止めて花水集落を巡るウォークをしました。

 

黄色ツツジ

歩き始めてすぐ見つけた道路脇の家のツツジ、黄色のツツジって珍しいですよね。

花水1-2花水集落は立派な家が多く漆喰壁の蔵も数多くあります、探してみると絵柄の鏝絵蔵が1件ありました。団扇を持った布袋様、なんとなく愛らしい。

 

シャクナゲ

見上げるほどに育ったシャクナゲの木を見つけました。みているとその家の人が声をかけてくれました。

「立派なシャクナゲですね。」

というと。

「肥料をやっているもの。」

とのこと。大事に育てているんですね。

 

立沢の鏝絵

長野県諏訪郡富士見町の立沢地区で鏝絵を見てきました。

立沢3-1この蔵はたまたま家主さんが作業中。庭にはいって話を聞いたり撮影させていただいたり。多くの鏝絵が存在するこの地域、でも蔵も鏝絵も老朽化して保存していくのは大変なのだそうです。この集落の起源は水の湧出する近くの沢であったとか、そこから先祖の方達がこの地に移ってきたのだそうです。

 

立沢3-2そして蔵の丑鼻の鏝絵はこれ、モノクロで描かれた太鼓につがいのニワトリ。古そうでもありまた図柄も珍しい。

 

 立沢8-1もう一つ、印象的だったのは神社に面したこの蔵。

 

立沢8-2壁面を飾る大きな鏝絵。左官さん、広い白壁をキャンバスに自由に楽しんでしまっています。

こんな鏝絵、多くの人に見て欲しいな。この地のウォークもいつか企画しましょう。

立沢の鏝絵
http://susuki.chips.jp/?page_id=12370

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横手で鏝絵発見

白州町横手から武川町柳沢に向かう道路右側の古い土蔵に鏝絵がありました。

 

横手1-1
横手1-2

 

周囲の土壁は波ドタンにおおわれていますが、丑鼻部分だけはおおいをつけず鏝絵を見せてくれています。丑鼻の中は「松に鷹」、でも翼を収めて首を前に出している構図、黒色系の着色、見掛けない雰囲気です。丑鼻の上には「竹にウサギ」、これも珍しい。丑鼻の下左右の黄土色部分もよく見ると波のような模様が描かれています。

干支の鏝絵2点

正月ですから今年の干支:ネズミを取り上げた鏝絵を2点紹介します。

 

20_111_12_3大根と鼠大根に群がるネズミ3匹、大根の葉がブルーなのがユニークです。原村・柳沢にあります。

 

11_433_9_大黒と鼠これもユニークな絵柄「大黒とネズミ」。大黒様ということらしいのですが、打ち出の小槌は見あたりません。袋の中にネズミが飛び込んでいくのはどんな意味があるんでしょうか?頭巾と袴の緑系の配色も珍しい。原村・払沢にあります。

 

ネズミは保存してある穀物を食い荒らす厄介者というイメージがあるのですが、大黒の使いで神獣とされ、福徳を象徴し、農村では田畑の神で五穀豊穣のシンボル、商家では商売繁盛の神として信仰されているのだそうです。繁殖力があって、子だくさん・一家繁栄にも繋がるのかな、とこれは素人考えですが・・・・。

「こて絵のページ」を作成しました

今まで書きためたこて絵の写真・ブログ記事を整理してまとめた「こて絵のページ」を作成しました。実施したウォークのコースもあわせてご覧いただけます。

左官職人が織りなす鏝絵の世界をどうぞ。以下をご覧下さい。

「こて絵のページ」
http://susuki.chips.jp/?page_id=11416

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「原村・柏木地区の鏝絵」ページ

原村・柏木地区の鏝絵ページをつくってみました。

青柳駅からのウォークでこの地区に行ってみました。茅野市と接する地区、資料では13件の鏝絵がある(あった)らしいのですが、道路から見えなかったり蔵が解体されてしまった(?)りで確認できたのは9件でした。

以下のページをご覧下さい。

原村・柏木地区の鏝絵
http://susuki.chips.jp/?page_id=11215

「小淵沢の鏝絵」ページ

小淵沢の鏝絵ページをつくってみました。

鏝絵で賑やかな八ヶ岳西麓に接する小淵沢、山梨の中では鏝絵文化が一番に流れ込んだ土地のようです。現在見つけた鏝絵は21件、まだまだあるのかな。
昔話:養老の滝の若者や二宮金次郎など働き者・勤勉な人を題材にしたものはここでしか見ていません。

以下のページをご覧下さい。

小淵沢の鏝絵
http://susuki.chips.jp/?page_id=11063

笹原周辺の鏝絵巡り

 鏝絵巡りシリーズ第6回

茅野市笹原周辺の鏝絵巡り

シリーズ第6回の今回は鏝絵で有名な笹原とその周辺の見て歩き。茅野市駅から路線バスに乗って糸萱集落へ、そして笹原へと向かいます。この周辺にはまだまだ見たい鏝絵があるのですが、日に2本だけのバスの時間に合わせて見学する鏝絵をかなり絞っての鏝絵巡りです。でも今回は笹原の観光町づくり協議会の方がガイドをしていただけるとのことで、また違った楽しみ方ができそうなウォークでした。


01_バス待ち
集合は9:00、ここ茅野市駅に集まったのは22名。これは駅前のバス乗り場でのバス待ちの様子。


02_鏝絵1バスの乗車時間は30分弱、途中のバス停で更に1名乗り込み今回総勢23名のウォーキングとなりました。糸萱入口バス停で降りてメルヘン街道を少し引き返し最初の鏝絵見学。

 

03_鏝絵1拡大ここの鏝絵は立体的な鶴。この蔵は両面に鏝絵がありました。(反対面の鏝絵はこちらをクリック)


04_メルヘン街道Uターンしてメルヘン街道を上ります、歩道のない道をちょっとの我慢。


05_鏝絵2街道から糸萱集落内に入り、すぐに次の鏝絵蔵。この蔵も両面に鏝絵が施されています。
(鏝絵はこちらをクリックしてください。 手前側鏝絵  奥側鏝絵

 

06_鏝絵3こちらは大黒様の鏝絵。(鏝絵はこちらをクリックしてください)


07_3棟の鏝絵蔵再びメルヘン街道を横切って上流側に進むと、鏝絵蔵が3棟並んでいました。
(鏝絵はこちらをクリック  2棟目丑鼻  2棟目鶴  2棟目亀  3棟目


08_ハチマキの千鳥ハチマキには千鳥も。


09_窓枠窓枠もお洒落です。


10_糸萱の通り糸萱集落内を走る道路はこんな雰囲気。ここ糸萱に別れを告げて広い田園風景の中を20分ほど歩くと笹原集落にたどり着きます。


11_笹原開拓碑笹原でガイドさんと合流、ここからは説明を聞きながら笹原集落内を見学です。まずは笹原開拓の碑。ここ笹原はかつては名前の通り笹野原で霧ヶ峰状態だったのだそうです。そこに江戸時代入植したのは武家の人たち、強い結束力だったようです。


12_一番観音この奥にある奥蓼科温泉までつながる湯みち街道が集落を貫いており、街道沿いに66体の観音様が安置されているのですが、ここ笹原がその始まり。これがその一番観音です。

 

13_勝軍地蔵勝軍地蔵という珍しいお地蔵様。防火の神でもあるそうです。


14_山の神集落の中には幾つもの神社があります、これは山の神神社。笹原で最初に建てられた神社。そのほかにも各姓毎に神社があり、この隣には中島姓の方々の神社がありました。それぞれが小さな鳥居と小さな祠です。


15_信玄棒道集落を貫いて蓼科方面に伸びる信玄棒道。山梨県北杜市からここに至っていたのは知らなかった。


16_鹿狩神社これはちょっと大きな神社で、鹿狩神社。捕ったシカをこの境内で解体した?


17_萩屋萩屋(はんや)。牛馬の飼料となる草を貯蔵したものですが、現存するのは2棟のみ。しかし朽ちかけていて痛々しい。


18_田園風景集落の北側に広がる田園。その向こうは蓼科方面なのですが、空模様が怪しくこの日の眺望はちょっと・・・・。


19_寺子屋先生の墓これは寺子屋の先生の墓、小さな集落に寺子屋があったんですね。そんなところにも武家集団の開拓地であることがうかがえます。


20_笹原鏝絵1集落の一番南まで下った後、今度は上流がわに向かって進みます。この通りは笹原の中でも鏝絵蔵が並んだところで、鏝絵通りというそうです。


21_釣り糸使用鏝絵その最初の蔵の鏝絵、恵比寿さんが鯛を釣り上げていますが、本物の釣り糸を使っています。


22_虎その蔵の虹梁の木口の鏝絵で、月を仰ぐ虎。反対側の木口にも鏝絵がありました。


23_亀これも同じ蔵の窓枠、右下に亀がちょこんと。これがなかなか評判なのだそうです。わかるな~。


24_大黒大黒様の鏝絵、青色が鮮やかで美しい。壁の下半分は石壁風で現代的。仕上げはかなり新しい蔵のようです。(鏝絵はこちらをクリックしてください)

 


25_亀がいっぱいこの蔵は虹梁の若葉に亀がたくさん描き込まれています。(鏝絵はこちらをクリック)


26_建てぐるみこれは、店舗・住居・蔵が一体化した珍しいもので、「建てぐるみ構造」というのだそうです。


27_滝に打たれる亀白い漆喰壁は落ちてしまっていますが、丑鼻の鏝絵だけはしっかり残っています。この中に亀が3匹、見つかりますか?(鏝絵はこちらをクリック)

28_池笹原の家それぞれに池がつくられて、鯉が泳いでいます。貴重なタンパク源で、来客の折りなどに振るまったのだとか。


29_龍こちらは歴史を感じさせる「龍」の鏝絵。(鏝絵はこちらをクリック)


30_猫最後はこれ、家人が大変な猫好きで鏝絵にもこだわり。右の猫の尻尾の近くには鼠も描かれています。遊び心たっぷりのこの鏝絵、すきだな。

 

31_湯みち街道笹原のガイドさんにお礼を言ってお別れ。岳麓公園目指して歩き出しました、もうすぐお昼。で、昼食場所の岳麓公園は池あり芝生あり水路ありでなかなか良いところだったのですが、写真を撮らないで終わってしまいました、残念!


32_土道午後の部スタート。自動車道を避けてこんな道を歩けたら最高。


33_大黒様再び湯みち街道に出たところ、須栗平で鏝絵発見。これもまたよく描かれた大黒様、打ち出の小槌にも珍しい波模様。黒の背景に小槌から小判がこぼれ落ちています。(鏝絵はこちらをクリック)


34_湯みちに別れ湯みち街道に別れを告げて、終着点の尖石考古館バス停を目指します。

 


35_リゾート地内リゾート別荘地の中をすすみ、


36_林道林を抜け、


37_翁像ここが終着点の尖石考古館前。この地の農業用水路を開くのに力を尽くした坂本養川像です。バス乗車時間に少し余裕をもって到着できました。

今回私は企画側。電車と路線バスを利用したウォーキングで、バス運行時間の制約もあり歩行距離はちょっと短めでしたが多くの方に参加していただけました。また笹原の観光町づくり協議会から4人のかたにガイドをしていただき、単に見て歩くだけでなくこの地の歴史や文化を紹介していただき、ちょっと内容の濃いウォーキングになったかな。

ガイドしてくださった笹原のみなさん、ありがとうございました。そして参加していただいたみなさん、ありがとうございました。鏝絵巡りシリーズ、まだまだ続きますよ~。

 下記ページに今回紹介できなかった鏝絵も載せています。よろしかったらご覧下さい。

北山・糸萱の鏝絵
湖東・笹原の鏝絵
湖東・須栗平の鏝絵