以前読んだ「タスキメシ」の続編です。
学生時代に故障で箱根駅伝への出場がかなわなかった主人公:早馬が病院での調理師の職を辞して、スポーツ栄養学を学ぶため紫峰大学の大学院に入学する。箱根駅伝を夢見ながらまだ出場がかなわぬ駅伝部の監督の強力な勧誘を受け、駅伝部の寮に住み込み、管理栄養士兼コーチとして選手達とともに故障者にも寄り添いながら箱根駅伝出場を目指す物語。駅伝部員に出される食事メニューが話の節毎に掲げられたユニークな構成で語られていきます。
主人公の元同僚や弟などは東京オリンピックを目指してMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)に出場、そしてフィナーレでは東京オリンピックのマラソンも登場するのですが、オリンピック本番のマラソンも会場は東京。どうやら昨年のマラソン会場移転騒ぎの前に執筆されたようです。現実のことも交えてリアルさを高めた作品を目指したのでしょうが、こんなところにも移転騒ぎの影響が出てしまいました。
月別アーカイブ: 2020年1月
「まち」
「よろずや平四郎活人剣(上・下)」
「よろずや平四郎活人剣(上・下)」
藤沢周平
文春文庫
主人公・神名平四郎は旗本の妾腹の子で冷や飯食い。実家を出て三人で剣道場を開くという話に乗ったが金を持ち逃げされ、裏店に住み着いて始めたのが「喧嘩50文、口論20文、とりもどしもの百文、よろずもめもご仲裁つかまつり候」という商売。食うや食わずの生活この商売に悪戦苦闘し、それでも徐々によろずや家業が板についていく。一話40ページほどの軽いおはなし集で楽しめる。
火鉢の炭を灰の中から掘り起こして暖をとる場面が何度も登場します、友人宅で家族の温かさをちょっと知って帰った時にはこの火鉢の火がとぼれてしまっていて、竈(へっつい)で湯を沸かしながら暖をとったりと一人暮らしのわびしさを絶妙に表現。気の小さい町人の依頼者が来て戸をたたく場面、「風かと疑ったほど小さな音だったが、耳を澄ましていると、またほとほとと戸が鳴った。」の「ほとほと」なんていう擬音語があったかな?藤沢さんの造語かなとも思いながら、でもこんな表現もいいなと思います。私はやっぱり藤沢周平ファン。
「シャーロットのおくりもの」
12月の読書メーター
12月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2379
ナイス数:23
([お]12-3)みつばの郵便屋さん 二代目も配達中 (ポプラ文庫)
読了日:12月25日 著者:小野寺 史宜
ゆかいなホーマーくん (岩波ものがたりの本)
読了日:12月24日 著者:ロバート・マックロスキー
シャーロットのおくりもの (1973年)
読了日:12月19日 著者:E.B.ホワイト
([お]12-2)みつばの郵便屋さん 先生が待つ手紙 (ポプラ文庫 日本文学)
読了日:12月13日 著者:小野寺 史宜
投げない怪物: 佐々木朗希と高校野球の新時代の感想
表題からは今年の高校野球夏の岩手大会決勝で登板せずに破れ甲子園への夢を絶たれた佐々木朗希投手のことを中心に書かれているかと思うのですが、むしろ現在の高校野球のスカウティング事情や強化策の現状といった内容。えげつないスカウティング事情を知ってしまうと、甲子園の高校野球に正直興冷めです。
読了日:12月12日 著者:柳川 悠二
タネの未来 僕が15歳でタネの会社を起業したわけの感想
F1というタネ、遺伝子組み換え(GM)作物、伝統野菜の種(しゅ)の減少、様々な野菜の種にまつわるはなしをわかりやすく解説していく。都内に住みながら群馬に畑を持ち、野菜を育てて販売もする。そして伝統野菜の種を守ろうとタネの会社まで立ち上げた。自身に食物アレルギーを持ちながら、こんなにも野菜の種を考え、行動し、そして冷静に論じていく高校生、すごいなと思います。またそんな彼を育て見守りてきた家族にも感心していまいました。
私たち大人もこの食の根本問題に向き合わなければ・・・・。
読了日:12月10日 著者:小林 宙
([お]12-1)みつばの郵便屋さん (ポプラ文庫)
読了日:12月10日 著者:小野寺 史宜
タランの白鳥 (福音館文庫 物語)
読了日:12月05日 著者:神沢 利子
トンボソのおひめさま―フランス系カナダ人のたのしいお話 (岩波おはなしの本 (2))
読了日:12月03日 著者:バーボー,ホーンヤンスキー
読書メーター
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今日の冨士
干支の鏝絵2点
正月ですから今年の干支:ネズミを取り上げた鏝絵を2点紹介します。
大根に群がるネズミ3匹、大根の葉がブルーなのがユニークです。原村・柳沢にあります。
これもユニークな絵柄「大黒とネズミ」。大黒様ということらしいのですが、打ち出の小槌は見あたりません。袋の中にネズミが飛び込んでいくのはどんな意味があるんでしょうか?頭巾と袴の緑系の配色も珍しい。原村・払沢にあります。
ネズミは保存してある穀物を食い荒らす厄介者というイメージがあるのですが、大黒の使いで神獣とされ、福徳を象徴し、農村では田畑の神で五穀豊穣のシンボル、商家では商売繁盛の神として信仰されているのだそうです。繁殖力があって、子だくさん・一家繁栄にも繋がるのかな、とこれは素人考えですが・・・・。