1800年頃起きたアフリカ人とアフリカ人を祖先に持つ人々がフランスの植民地統治から解放され、奴隷状態からも解放される「ハイチ革命」を革命指導者トウセンを主人公に描いた作品。統治国フランスが、革命やその失敗、そしてナポレオンの時代へと激動する中で先を見据えたトウセンの忍耐力・判断力・指導力がよく描かれています。ここでも植民地支配や民族差別を知ることができました。そして民主化のための長い戦いも。
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今回のウォークは「下部醍醐山トレッキング」。日蓮宗総本山:身延山久遠寺のある身延町にある醍醐山はスカイツリーと同じ高さ(標高)634mで一躍名を売り、登山道も整備されて登りやすい山になりました。身延線甲斐常葉駅をスタートし山頂を経て下部温泉駅ゴールのお手頃コースです。
甲斐常葉駅前に10:30集合、私は電車を避けてマイカーでここまで。まずはリーダーの挨拶、新型コロナウィルス騒ぎでこの日のことまでの開催の可否にゆれたことなど、それから天気予報が予報元によって違ったことなど。
スタートしました。駅から川沿いを上流方向へ、でもすぐに左折して登山道に入ります。
山道に入りましたU字型の底のような登山道は落ち葉がたまって、それを踏みしめてすすみます。
平らなところに杉か檜か綺麗に並べて植林されたところでの休憩。この日はこまめに小休止をとっていただきました。かつては畑だったところを、営農が困難となって植林したんでしょうね。
木製の標識がよく整備されていました。ここは鳥打峠、私たちは尾根道を歩いてきたのですが、かつてはこの尾根道と交差するように、下の部落から尾根越えをしていったんでしょうね。
植林された林の中に伐り倒された太い幹がたくさん。これはどうやら太い木が育つように間引きしたんでしょうね。「間伐」ってこの作業のことをいうんでしょうか、それとも植林の間の下木を伐ることをいうのでしょうか?
今回のコースではきつい登り坂は三度ほど。以前に登ったことがあるというEさんの、「後で急登があるよ」という話を聞きながら「ここのことかな?」と何度も思ったのでした。
五老峰展望台、見えるのは南東方向かな。正面に見えるのが五老峰です。
こちらはどうやら共同アンテナ。左のボックスには「NHK」という表示がありました。山間の集落は個人のアンテナでは受信できる放送局が少なく、集落全体が参加する共同アンテナを山の上に立てて各家に配信。私の実家ではそのおかげで長野の放送も入るんですよね。
頂上間近の展望台。視界が開けて爽快なのですが、「こんなに木を伐っていいの?」
ここからの展望、鮮明ではありませんが遠く八ヶ岳まで見渡せます。手前の白いのは市川大門のあたりの仏舎利塔。
着きました、山頂。ここで昼食。この屋根の下には丸太のベンチ・テーブルがあり、記念スタンプも用意されていました。
山頂でも楓の葉がやわらかに開き始めていました。
こちらはウグイスカズラ。風にゆれて、高速シャッターでもぶれてますかね。
頂上から10分ほど歩くと展望台があり、これは6人ほどの有志で見に行きました。見下ろしているのは身延方面と富士川。
でも急な下り坂になると落ち葉が滑ってかえって怖い。歩幅を狭く、ゆっくり、ゆっくり。
大子(だいご)集落跡のすぐ上にあった石造物。人がいなくなった集落、崩れても補修されず寂しい。集落の中には廃屋が何棟か残っていましたが、痛々しくて写真は撮りませんでした。
こんな橋も何カ所かありました。その都度、一人づつ渡ります。この橋はまだ広い方。
長い急な下り坂に膝が笑ってしまって、ここまでくるとみんなホッと笑顔。
身延から本栖湖に至る国道300号に出ました。こちらは身延方面。これから反対側、下部温泉駅に向かいます。
下部温泉入口にかかる橋、赤い灯籠が並んで風情があります。そしてしだれ桜のお迎え。
この橋の4つの橋柱は曲線的なデザインの中に桜・カエデ・螢・川魚と4種類の絵柄が彫り込まれています。いいな、こういうの。
そして終点の下部温泉駅。心配された天候も穏やかにほぼ晴れていたのですが、なんと私たちの到着を待っていたように強い雨が降り始めました。ラッキーでした。
登山と言うより低い山、落ち葉の中を、いろいろな記憶が甦る山歩きでした。今では家畜舎の床に敷くために落ち葉を集める「きのはき」、集めた落ち葉を積み重ねて貯蔵しておく「きのはんや」なんていうのも死語ですね。子どもたちが「きのはんや」に飛び込んで遊んだんだけどな~。
リーダーさん、サブさん、楽しいコースを案内していただきありがとうございました。そしてご苦労様でした。
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勿忘草の咲く町で
~安曇野診療記~
夏川草介
角川書店
「神様のカルテ」シリーズでお馴染み・夏川草介さんの新作。長野県松本市郊外にある民間病院を舞台に、本業お医者さんの著者ならではの若い看護師・月岡美琴と研修医・桂正太郎の物語。患者の高齢化で胃瘻や認知症・介護・看取りなど退院しても自分の生活に戻れるわけではない患者さんの治療のあり方、過重労働など地域の病院が抱える重い課題に正面から向き合い、その悩みが若い二人の物語の中に語られています。もちろん二人の関係にはちょっとワクワク。
「神様のカルテ」の主人公とも接点ができそうだったのですが、その楽しみは続編へ残したようです。と言うわけで続編も出してくれるんでしょうね、期待しています。
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「今月の一曲」を更新しました。今回は讃美歌520番「しずけきかわの」、2009年に山形を訪問させていただいた時、一緒に唱わせていただきました。
下記をクリックし、「今月の一曲」ページでお聴き下さい。
今年の直木賞作です。 サハリン島(樺太)の先住民アイヌの人たちを中心とした物語。先住民のものだった土地(島)が日本の支配を受けたりロシアのものになったり、日露戦争の結果日ロで折半したり、そしてまた日本の敗戦でロシアの支配下になったりと大国の間で翻弄される。支配する側の文化が高いとされてその文化を先住民に押しつけ土地を取り上げていく、そんな理不尽さや先住民と言われる人たちの悲しさが綴られていきます。
先日、台湾の先住民族がやはり日本や中国の支配を受けるようになっていく映画「セデック・バレ」をみました。以前には「ダンス・ウィズ・ウルブズ」という映画がありましたが、ここでもアメリカの先住民が移住してきた白人に土地を追われていく様が描かれていました。「リトル・トリー」という小説もありましたね。かつて西部劇を見て白人が正義、先住民が悪のような表現を何も考えずに見ていましたが、征服される側から見た征服者の理不尽な論理を伝えるのがこれらの作品の共通のテーマ。この「熱源」も読みごたえがありました。