いつも楽しみにしている音楽談義、3月のモチーフは「はじめとおわり」でした。中央の春らしいやわらかな花を囲んで長テーブルが6脚、参加は15人でした。
参加者の前のテーブルにはおやつが、今回もくつろいだ楽しい時間の始まりです。
いつものようにまず先生が話し始めます。人類の歴史から地球の歴史、さらには宇宙のことの話が及び「長~い時間」を想像させるお話。
「人類がいなくなっても地球の一生は終わらない。その時地球は、『あ~、スッキリした。』なんてつぶやくのかもしれない。」
なんて、ユーモアのある先生です。人間の一生も地球や宇宙の時間にしてみれば一瞬のこと、その一瞬を充実させるために音楽・芸術があるんだとのことでした。
それから参加者にはなしを振ると、ある大学教授が「ゾウの時間、ネズミの時間、身体の大きさで流れる時間の早さ(時間の感じ方)がちがうんだ。」といったとか、先生の話をきっかけに興味深い方向にはなしが展開していきました。
以下、先生の名言の数々です。
・一期一会、時間は一瞬の連続、一瞬一瞬を大切にしないと。
・音楽時間は、時計時間に合わせるのが正しい、メトロノームに会わせるのが正しい、という考えがあるがそうじゃない。
・指揮者は構図を描きデッサンしている、時間の変化をコントロールしている、時間を与えている等々。
・音色・強弱は練習で、練習と本番が違うからおもしろい。
・明治以来、音楽を嫌いにするようなことをしてきた。強い弱いをリズムと教え込んだ。等、日本の近代音楽が誤った方向で行われてきた面がある(というようなニュアンス)。
・指揮者はメンバーを操り人形のようにするタイプと音楽を楽しくするようなタイプがある。
休憩時間に今回はピアノを弾いてくれました、まず即興演奏を一曲。それから希望したイメージを即興で弾いてくれるということで主催者側の方が希望を出しました。
「川を遡上する鮭、ジャンプも・・・・」と。そして即興ピアノが始まりました、大きな川を鮭が群れをなして泳いでいる、水の流れにもまれながら上流に向かっておびただしい数の鮭が泳いでいく、ときにはジャンプ、岩場をジャンプ・・・・、そんな情景が脳裏に描かれました。
更に後半も興味深いおはなしが聞けました。
・ロボットは音楽を演奏できない。
・人間の感覚は進化しない。快い、危ういという感覚は変わらない。
・きたないい音まで美しいと思うようになると、人間は自分の身が守れなくなる。 等々。
終了時間を過ぎて司会の方が、「このメンバーは最後に先生の演奏を聴かないと今夜は眠れないから」と、強引にまた先生の演奏をねだってくれました。今回もピアノの即興、曲の途中に「さくらさくら」のメロディーが流れたりしました。楽器ケースを指して図々しくも、「もう一つ箱をもってきていますから・・・・」と更にヴィオラ・ダ・モーレの演奏をおねだり。これまた即興曲を聴いてこの日の音楽談義を終えました。
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