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タスキメシ-箱根-

タスキメシ箱根「タスキメシ-箱根-」
額賀 澪
小学館

 以前読んだ「タスキメシ」の続編です。
学生時代に故障で箱根駅伝への出場がかなわなかった主人公:早馬が病院での調理師の職を辞して、スポーツ栄養学を学ぶため紫峰大学の大学院に入学する。箱根駅伝を夢見ながらまだ出場がかなわぬ駅伝部の監督の強力な勧誘を受け、駅伝部の寮に住み込み、管理栄養士兼コーチとして選手達とともに故障者にも寄り添いながら箱根駅伝出場を目指す物語。駅伝部員に出される食事メニューが話の節毎に掲げられたユニークな構成で語られていきます。
主人公の元同僚や弟などは東京オリンピックを目指してMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)に出場、そしてフィナーレでは東京オリンピックのマラソンも登場するのですが、オリンピック本番のマラソンも会場は東京。どうやら昨年のマラソン会場移転騒ぎの前に執筆されたようです。現実のことも交えてリアルさを高めた作品を目指したのでしょうが、こんなところにも移転騒ぎの影響が出てしまいました。

「まち」

まち

「まち」
小野寺史宣
祥伝社

 主人公:江藤俊一は幼くして旅館を営む両親を火事で亡くし、尾瀬で歩荷(ぼっか)をしていた祖父に育てられた。祖父のすすめで高校卒業とともに上京し、アパートに一人暮らし、コンビニのバイトから引っ越しの荷物運びのバイトという生活の中で主人公が徐々に人のつながりをつくっていく物語。後半では直木賞作「ひと」の総菜屋さんも登場したり、アパート:筧ハイツは他の作品でも登場しているらしい。何かしら他の作品と繋がっていくのも面白い。私にとっては小野寺作品7作目、いつもながらあたたかな作品でした。

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「よろずや平四郎活人剣(上・下)」

よろずや平四郎活人剣

「よろずや平四郎活人剣(上・下)」
藤沢周平
文春文庫

 主人公・神名平四郎は旗本の妾腹の子で冷や飯食い。実家を出て三人で剣道場を開くという話に乗ったが金を持ち逃げされ、裏店に住み着いて始めたのが「喧嘩50文、口論20文、とりもどしもの百文、よろずもめもご仲裁つかまつり候」という商売。食うや食わずの生活この商売に悪戦苦闘し、それでも徐々によろずや家業が板についていく。一話40ページほどの軽いおはなし集で楽しめる。

火鉢の炭を灰の中から掘り起こして暖をとる場面が何度も登場します、友人宅で家族の温かさをちょっと知って帰った時にはこの火鉢の火がとぼれてしまっていて、竈(へっつい)で湯を沸かしながら暖をとったりと一人暮らしのわびしさを絶妙に表現。気の小さい町人の依頼者が来て戸をたたく場面、「風かと疑ったほど小さな音だったが、耳を澄ましていると、またほとほとと戸が鳴った。」の「ほとほと」なんていう擬音語があったかな?藤沢さんの造語かなとも思いながら、でもこんな表現もいいなと思います。私はやっぱり藤沢周平ファン。

「シャーロットのおくりもの」

シャーロットのおくりもの「シャーロットのおくりもの」
E.B.ホワイト 著
鈴木哲子 訳
G.ウィリアムス さし絵

 とても小さくて弱く生まれたブタのウィルバーは生まれたてでいのちを絶たれそうなところを、その家の女の子ファーンにたすけられ大事に育てられる。やがて違う家に引き取られ、そこでは羊やガチョウ、ネズミにクモなどと一緒に暮らす。みんなそれぞれに温かく見守られ育っていくウィルバーがかわいい。なかでもクモのシャーロットは一番の友だちに。やがては屠殺されて食肉となってしまうシャーロットの運命がどうなるのか?

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「みつばの郵便屋さん」

みつばの郵便屋さん「みつばの郵便屋さん」
小野寺史宣
ポプラ文庫

 シリーズはすでに6冊目になっているようですが、ただ今3冊目を読書中。主人公秋宏は人気タレントを兄にもつ若い郵便配達員。配達中に風に飛ばされる洗濯物をみつけたり、誤配達のクレームでお客さんのところにとんで行ったり、郵便を待っている小さい子がいたりと様々なトラブルや出逢いを誠実に対応していいつながりができていく。少々きつい同僚・先輩もそれぞれの事情がわかり頑なさがほどけていく。兄カップルや友人とのかかわりも含めて主人公の人柄からかやさしい人のつながりが広がっていくあたたかいおはなし集です。更に続編も読んでいこうと思います。

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「タネの未来」

タネの未来「タネの未来」
~僕が15歳でタネの会社を起業したわけ~
小林 宙
家の光協会

 F1というタネのはなし、遺伝子組み換え(GM)作物のはなし、伝統野菜の種(しゅ)が減っていくというはなし、様々な野菜の種にまつわるはなしをわかりやすく解説していく。都内に住みながら群馬に畑を持ち、野菜を育てて販売もする。そして伝統野菜の種を守ろうとタネの会社まで立ち上げた。自身に食物アレルギーを持ちながら、こんなにも野菜の種を考え、行動し、そして冷静に論じていく高校生、すごいなと思います。またそんな彼を育て見守りてきた家族にも感心していまいました。
近い将来、採種を禁止する法律ができるかも知れないという。野菜を育ててタネをとり、そのタネでまた野菜を育てる。そんな当たり前の生命の輪廻を取り上げられてしまう怖いはなしだなと思うのですが私たちはそのことに無自覚に来てしまいました。私たち大人もこの食の根本問題に向き合わなければ・・・・。

「マチルダは小さな大天才」

マチルダはちいさな大天才

「マチルダは小さな大天才」
ロアルド・ダール
評論社

 天才少女マチルダは無理解な両親の下で育ち、理不尽な父親に密かに立ち向かっている。やがて小学校に入学、ここにはマチルダを理解してくれる担任ミス・ハニーと子どもに無理解・理不尽な女校長先生が登場する。嫌な大人に勇敢に立ち向かっていく天才少女の物語、大人が読んでも痛快です。あっという間に読了しました。

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「ひと」

ひと「ひと」
小野寺史宣
祥伝社

3年前に父親を亡くし更に今母親も亡くした大学生:柏木義人、大学をもやめなくてはならなくなってしまった。空腹を抱えて所持金55円で買おうとした揚げたてのコロッケの最後の1枚ををおばあさんに譲ってしまう。でもこれが縁でこの総菜屋で働き始める。高校の同級生:青葉もちょっと気になる存在。主人公が温かい人に囲まれながら悲しみのどん底から少しずつ光を見いだしていく物語、いいおはなしでした。

あずかりやさん2

あずかりやさん2

「あずかりやさん」
-桐島君の青春-
大山淳子
ポプラ社

「あずかりやさん」の2作目。前作ではこのあずかりやさんののれんや預けられた自転車などの視点から、このお店に預ける人、預けられるものを描いてきましたが、この作でもお店で使われている文机やらオルゴールやらが語り手となったお話が登場します。
二つ目のおはなしは「青い鉛筆」、中学に入学した女の子が主人公。新しいクラスで仲良しグループが誕生し、その一人が欲しいと言った級友の筆箱の中の鉛筆を盗ってしまうところから始まる。障害をもった弟におかあさんは弟にかかりきり、満たされないものも持った女の子の心情をよく描いています。そんな弟が有名な童話「星の王子さま」を暗唱してしまう。その弟とあずかりやさんとのかかわりが出てきたりしてちょっといいなと思えるおはなし、印象的でした。

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「夏の騎士」

夏の騎士

「夏の騎士」
百田尚樹
新潮社

 小学6年生のおちこぼれ3人:宏志・健太・陽介は「アーサー王の物語」に登場する正義と勇気を兼ね備えた中世の騎士にあこがれて騎士団を結成する。山の中に秘密基地をつくる男の子らしい冒険心、そしてスター的存在の女の子をレディーとして正義感・勇気など少年ならではの夢や目標に向かっていきます。そのレディーからとんでもない課題を課せられた3人、でも意気込みだけではどうにもならない弱さも描いたりして・・・・。楽しく読ませていただきました。

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