年間スケジュール等
練習風景
新曲の練習はピアノの上手な人(教育学部がありましたので、団員の中に音楽の先生の卵が何人もいました)が全パートをピアノで弾きます。団員はこのピアノを聴きながら、楽譜を見て自分のパートを歌詞で唱います。はじめはゆっくり、数回ピアノと一緒に唱ったあと今度はピアノ無しで唱います。これで譜読みは終わりでした。パート練習など全くなく、単音で音をとることもなく、はじめからハーモニーの響きの中で練習できる実に合理的な譜読みでした。
毎週水曜日
70才超の先生にとって東京からの運転は大変なことだったと思いますが、私たちの合唱団に本当に情熱を注いでくれました。それだけに練習には厳しく、特に旋律を唱うソプラノには厳しかった記憶があります。先生の指導は技術的なところではなく、むしろ人間的なところに向けられました。印象に残っている言葉としては、まず第一に「聴いて聴いて」。この年、先生は徹底して「聴く」ことを教えてくれたように思います。それから「お話しとおんなじだよ」ということ、「聞いている人に言葉がわからなければいけない」とも言われました。「うたやいいんでしょ」という乱暴な唱い方を戒められ、小さな声でそっと唱ってみせて曲の中で語ることを教えてくれ、そして良くないときには「全く冷淡だよねー。」とため息をつくように言われました。だから先生からは音楽と一緒に人間的な部分、人間性というようなものについて教わった気がします。
取り組んだ曲
それから先生が編曲してくる数々の楽譜でした。4月からそれらを「これ、やってみよう」と次々と譜読みをして、この年に取り組んだ曲数は80曲にのぼりました。この前書いたように、私たちの譜読みは大変合理的で全く苦にならなかったのです。この年在籍したメンバーは分離唱で耳を鍛えられると同時に、譜読みによっても耳が鍛えられたのではないかと思っています。
私のおもい
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