私にとっては額賀作品の二作目。
今回は高校生の吹奏楽の世界。吹奏楽コンクールで全国大会までいった高校の演奏会を聴いて小学校から吹奏楽をはじめた主人公。中学で夢が叶えられずに燃え尽きたかのような茶園基(もとき)が高校に入学するところから話が始まる。先輩・同級生・コーチとともにまたコンクールを目指す物語。コンクールに絶対的な価値観をおいている、そんな世界を私は知らないのですが、ブラック部活なんて言葉も飛び出して勉強との両立をもテーマに据えた面白いストーリーで一気読みでした。
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一絃琴に一生を捧げた女性の師弟二代記です。維新の頃、土佐には一絃琴が華やかな時代があったようで、またモデルとなった女性もいるようです。
前半の主人公は苗、芸事にも理解のある武家で育ち不幸な結婚もありましたが、最終的には理解のある伴侶のもとで一絃琴の学校を立派に経営するまでに。後半の主人公は苗の弟子蘭子、才にも財にも恵まれながらも苗には認められず、しかし最終的には一絃琴の第一人者として認められ人間国宝にまで。
こういう女性の一生を描いた作品ではあると思うのですが、著者の描きたい音楽の世界は音楽を通じて名士となる出世の道でしかないように思えてしまいます。もっと音楽で広がる豊かな世界を表現して欲しかったな。
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12月の読書メーター
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新しい年となりました。本年もよろしくお願いいたします。
「今月の一曲」を更新しました。今回は「親方と弟子」、1962年山形南高OB合唱団の演奏です。第3回東京公演の翌年、この合唱団の黄金期かな。楽しい曲、楽しい演奏です。
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