鏝絵巡りウォーク シリーズ第16回
縄文の道・湯みち街道の鏝絵巡り
がありました。天候が心配されたのですがその雨も上がり、雨の後のしっとりとした風景の中を参加者18名で歩いてきました。その報告です。
今回は茅野市の南大塩および堀という地区、茅野駅前に集合し路線バス(メルヘン街道バス)で「ピアみどり」バス停下車。ここがウォークのスタート地点でした。
ここで簡単なセレモニー、そして準備体操。
スタートしました、まずは田圃の中を走る車道をゆるやかに西に下ります。
舗装もきれてしまいました、土・草の道もまたいい。
今度は急激な登り、でも距離はちょっとだけ。
この日一つ目の鏝絵蔵に着きました。ここはだしの入口に「龍」、そして虹梁の左端には珍しい「梅にうぐいす」。色使いもやさしく上品な作品です。
縄文の道に出ました。南大塩地区を横切るこの道をまずは西に下ると道路沿い右に「大黒様」、そして左に「大黒様」、少し配色を変えていますが大変似たデザイン、多分同じ職人さんによる作品でしょう。
集落の西端、郵便局の脇を入ると少し離れて「布袋様」。これは立木のため見にくかった。
(リンクをクリックしてそれぞれ鏝絵の写真をご覧ください)
少し引き返して縄文の道の南側奥まったところにあるこの蔵、虹梁のど真ん中にはこの「鶴・亀」、虹梁の東端には「竹に雀」の鏝絵、そして東側の丑鼻には酒を酌み交わす「恵比寿・大黒」が描かれています。いずれも質の高い作品。
(リンクをクリックしてそれぞれ鏝絵の写真をご覧ください)
通りを東に少し上って今度は道路の北側に入ると3つの鏝絵が見られます。「鯉の滝登り」、釣り上げた鯛を脇に抱えた笑顔の「恵比寿様」、そして「龍」の鏝絵。
(リンクをクリックしてそれぞれ鏝絵の写真をご覧ください)
こちらは道路の南側、白黒でシンプルに描いた「波に千鳥」。
(画像をクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
南大塩の公民館です。何と立派な!
公民館の向かい、駐車場脇に建つ蔵でこちらは「布袋様」。
(画像をクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
県道17号との交差点まで来て北東側を見ると植木の向こうにどうやら鏝絵らしきものが見えました。
そこで家の人に了解をいただいて庭に入らせてもらいました。で、見つけたのはどうやら「恵比寿・大黒」。小槌をもっているのは大黒、魚籠を身につけているのは恵比寿様でしょう、多分。
(画像をクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
県道を横切って東に進むとこの鏝絵蔵。かなり古いものらしく色あせてきていますがこの「大黒様」、庶民的な表情で親しみを感じます。(画像をクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
更に上ってこちらの丑鼻にはかなりシンボル化した「鶴」、ハチマキの若葉も立派です。妻壁の窓のような部分には大版の「波に千鳥」。
これも道路沿いで丁寧に描かれた「鶴と亀」。
(画像をクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
縄文の道から南側に入ってその道下には「大黒様」。近くで鑑賞できてありがたい。これで南大塩は終わり。(画像をクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
集落を隔てる田園の中を堀地区に向かいます。
堀地区にはいりました。ここから「湯みち街道」、まずは「大黒様」。
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湖東小学校、校舎も庭も大きい。敷地に入るわけにはいきませんが、正面玄関の上には青銅のような配色で子どもを円形に描いた鏝絵が三つ並んでいます。「地域の文化を学校の壁にも塗り込んだ」といいうことでしょうか。(左 ・ 中 ・ 右 、三つの鏝絵をご覧ください)
小学校の脇を抜けて堀地区の裏側、新井地区へはいります。
新井地区の鏝絵は2件、その一つのこれは大黒様。袋をひもで括ってできる皺に青を配してきれいな作品。(画像をクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
紅葉が始まりました。きれいな個人宅の庭を一枚。
消防団の施設脇の小さな蔵に新しい鏝絵で題材は「龍」。と思ったのですが、畑で作業している女性によるとこれは以前からあった鏝絵に上塗りしたのだそうです。
(画像をクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
集落内の道祖神と三山様の石碑。
着きました、昼食場所の「風除け公園」。芝生と松がきれいです。
お昼ご飯はこんな景色を眺めながら。
公園でのスナップを少々。
昼休みが終わったところで、全員で集合写真。
午後の部、スタートしました。
この地方には小さな祠が点在します。田園風景の中に立つ小さな林、鳥居、祠がいい。
田地を抜けて
堀地区へはいるとすぐに鏝絵蔵。丑鼻に「大黒様」と「鶴」。
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ここの蔵には「亀」が二匹、近くで見せてもらいたかったのですが残念ながら留守で道路から。
(画像をクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
集落の東端のあたり、丑鼻にきれいな「波に鶴」があります。
(画像をクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
その近く、軒下にいくつか下がっている提灯のようなもの、よくみると空き缶に切り込みを入れてきれいに仕上げたものでした。鳥避けとか、何か意味があるんでしょうね。
湯みち街道がカーブしたところ、手前の木で見にくいのですがここには「大黒様」が。道路の反対側には小さな蔵に見慣れない鏝絵で稲穂それとも植物の葉?
(リンクをクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
堀の集落内を走る湯みち街道を下ります。
風化がすすんでいますが、これは「波に鶴」でしょうか。
(画像をクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
公民館のところを少し入ると畑を隔てた向こうにブルーの「大黒様」、その向こうには「布袋様」がわずかに見えます。
(リンクをクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
すぐ近くで見ることができる蔵で丑鼻に「波に千鳥」、窓枠のかぶには「亀」が一匹。
(リンクをクリックして鏝絵の拡大写真をご覧ください)
最後はこの日初めにも見た酒を酌み交わす「恵比寿・大黒」デザインは全く同じですが、こちらは塗り替えたようで色鮮やか。虹梁の端にも「鶴と亀」が立体的に描かれています。これで今日のコースの鏝絵は終わり、あとは帰りのバス停にむかうだけ。
(リンクをクリックして鏝絵の拡大映像をご覧ください)
発着点の「ピアみどり」に戻ってきました。
現在この地域を走る路線バスは日に3本、13:48のバスを逃すと次は3時間近く後になってしまいます。そんなことから本日のウォークは当初のプランを少し省略して歩き、時間内に無事帰って来ました。参加していただいた皆さん、ありがとうございました。
こんにちは
毎回素晴らしい地域へのご案内、有り難うございます。
今回の鏝絵巡りは茅野市の南大塩及び堀地区でした。鏝絵のある土蔵が多いのにチョットびっくりしました。
やはり、ブームや流行があって、お互いに見栄を張り合ったのでしょうか?
茅野市と言えば、昨年の勧学院の実践調査発表会で「山梨及び八ヶ岳山麓の縄文遺跡」をテーマにした私は
国宝土偶である「縄文のビーナス」の故郷である尖石遺跡には、ひとかたならぬ関心がありました。
やはり、住民を豊かにする気候や地理的なプラスアルファーが太古からあったのでしょう。
今回の昼食場所の防風公園の松林の景観が特に気に入りました。
取り敢えず御礼まで
ご参加いただき、また嬉しいコメントもいただきありがとうございます。