「米の作りすぎは、もったいない」、こんな表題のポスターを東北農政局が3万枚作成して配布したのに対し反発が出ている。そんな記事を昨日目にしました。記事の内容は以下の通りです。
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東北農政局が作った「米の作りすぎは、もったいない!」「米の過剰作付けは、資源のムダづかい」というポスターに対し、地元の農家が「一生懸命米作りをしている農家の誇りを逆なでしている」と激しく反発。東北6県の農家約6000戸でつくる東北農業農民団体連絡協議会が25日、同局に文書で抗議するとともにポスターの回収を求めた。
「米の生産調整」への理解を深めてもらおうと局内で文言などを検討し、3万枚作製。今月から東北地方の農協などに張り出された。「MOTTAINAI」という文言付きで、「麦・大豆等へ転作し、自給率を向上」「限られた水田を有効利用することが、国民共通の利益」などと呼び掛けている。
抗議文は「過剰なのは輸入米で、外米に血税をつぎ込むことこそムダづかい」と指摘。連絡協議会の佐藤長右衛門会長は「高齢化が進む農村では、米作りを続けることが心の支え。カラー印刷で3万枚作成する金があれば、もっと他の施策に使うべきだ」と話した。
同局は「米価下落で生産調整が緊急の課題。決意の表れとしてインパクトのある言葉を選んだ。誇りを傷つける意図はない」とし、ポスター撤去などの予定はないという。
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日本の食糧自給率は約40%、これは先進国の中でも際だって低い数字です。その中で米だけが自給率に関しては優等生、自給率95%、直接食べる米については100%だそうです。なおもいうなら米の消費が減少して米あまり傾向にあり、米の需給状況からいったら国は減反政策を進めなければならない状況にあるようです。輸入した米は直接私たちの口にはいることはなく、加工米になったり、貯蔵米、そして海外への食料援助になったりしているそうです。そこが「外米に血税をつぎ込むことこそムダづかい」といわれる所以でしょうが、だからといって税金を無駄に使って国が米農家をいじめているといいうわけでもなさそうです。国際的なおつきあいで米も輸入しなければならない、日本の米作りも守りたい、その狭間のぎりぎりの選択として今の輸入があるようです。
しかし、このように日本の農政が日本の米農家を守るために動いているのだとしても、今回のポスターはいただけません。「もったいない」はなかなかよい時の言葉ではありますが、「田んぼで米を作るのがもったいない」としてしまったら、田んぼの米作りが廃棄物と同列に扱われているようにも思えます。今はやりの言葉を使えばいいというものではない、米作りへの思いを察することのできない方が選んでしまったキャッチフレーズという気がしてなりません。(続く)