湯道街道を須栗平を更にすすむと笹原集落があります。この集落にはひときわ多くの鏝絵蔵があり、集落入口の公民館前には集落の中にどのように鏝絵蔵があるのか一目で分かる看板が設置されています。
また、「くらフォーラムin八ヶ岳」という団体が作った
「茅野市笹原 くら、こて絵と庭園めぐり」というパンフレットがあり、この中には上記の看板同様の地図が描かれ、各家の庭園と合わせて紹介しています。この地図には絵柄のこて絵にはナンバーがふられ、そのナンバーは18まで。さらになぜかはわかりませんがナンバーのふられていないこて絵が2カ所あります。以下にそのナンバーに沿って笹原集落のこて絵を紹介します。
1.
この蔵は丑鼻に鏝絵はないのですが、虹梁には立派な鏝絵が施されています。木口には一方は「波打ち際の亀と鶴」、もう一方には「波に兎」です。
2.
残念ながら何が描かれてるのかよくわかりません。
3.
蔵の正面の壁にも鏝絵がありました、「松に鷹」。丑鼻には珍しい色合いの大黒様。
4.
丑鼻に鏝絵はありませんでしたが正面側の壁にはこんな絵が、モダンですね。このお宅は大のネコ好きで左官さんに頼んでネコを描いてもらったのだそうです。そしてハチマキの彩色された牡丹もめずらしい。
5.
ちょっと不気味な雰囲気の「龍」。新しい鏝絵が多い笹原地区ですが、これは古そう。戦前の作品ですね。
6.
これも古そう、亀が立体的に描かれて首をもたげています。
7.
青・赤の鮮やかな大黒様。
8.
鯛でしょうか、鯉でしょうか。ちょっとユーモラスな顔つき。
9.
亀が水に打たれています。3匹の亀、わかりますか。
10.
この蔵の虹梁正面側は波に亀がたくさん、これは左側ですが反対側にも同様の鏝絵が施されています。また、虹梁の木口の部分には「波に千鳥」。そして道路と反対側には遠くから「波に鶴」が描かれているのが見えました。
11.
こちらは7と同様の色鮮やかな大黒様、似ているようではありますが赤は使わず表情にも違いがあるようです。
12.
この蔵を挟んで三つの鏝絵蔵が並んでいます。この色づかいもちょっと珍しい。
13.
部落最西端の蔵、魚籠を腰に吊るし鯛を釣り上げる恵比寿様。カラフルな色づかいで楽しい鏝絵です。虹梁の木口には虎が精密に描かれ、また道路側(蔵の背面)の窓には可愛く亀が一匹、これがまた見る人には好評なのだそうです。
14.
淡いブルー系の大黒様。
15.
こちらは鮮やかなブルー系の大黒様、でもところどころに赤も配して7と同じ作者のように思います。
16.
この蔵には丑鼻に鏝絵はないのですが、虹梁のボタンが見事。そして虹梁の下に施された亀、職人さんの遊び心・悪戯心がたまりません。虹梁の左右の木口にも鏝絵、特に右側の「鶴・亀」は丁寧に仕上げられています。
17.
淡いブルー系の大黒様。
18.
「波に兎」。モノクロで、こちらの鏝絵は大分古いもののようです。ハナブカにも鏝絵がありました、こちらは「鶴」。
番外1.
淡い緑の衣の大黒様。こんなきれいな鏝絵がどうしてナンバリングされなかったんでしょうかね。道路からは見えないところにあったからでしょうか。
番外2.
どうやらこれも大黒様、決してピンぼけ写真ではないのです。これもかなり古い作品らしく色落ちしたり不鮮明になったりしていますが、これまでに見ていない職人さんの作品らしく貴重です。