合唱団の練習はまず分離唱を数分、それからハミングでカデンツを行いました。その後はもう合唱曲を唱います。一般的な練習で行う発声練習などは一切なしでした。
新曲の練習はピアノの上手な人が全パートをピアノで弾きます。団員はこのピアノを聴きながら、楽譜を見て自分のパートを歌詞で唱います。はじめはゆっくり弾いてくれたように記憶しています。数回ピアノと一緒に唱ったあと、今度はピアノ無しで唱います。これで譜読みは終わりでした。パート練習など全くなく、単音で音をとることもなく、はじめからハーモニーの響きの中で練習できる実に合理的な譜読みでした。
もう二十?年も合唱から遠ざかってしまい思い出の中のものではありますが、こんな合唱風景が私にとってスタンダードです。職場などでどうかすると合唱をしようかなどということになることがあります。そんなときはピアノが弾ける人がいると「アーアーアー」と発声練習を楽しそうに始めます。譜読みと言えばパート練習、自分のパートを覚えてから合唱というのが決まったパターンですね。楽しそうに唱っているのをみると「みんな合唱が好きなんだ」と思うのですが、私にとっては異質なものと感じてしまい、一緒に楽しめない自分が寂しくもあります。