今年2月に発売されたシリーズ8作目、三分の一ほど読み進みました。
大阪から江戸に進出した呉服商:五鈴屋、江戸店も順調に回り始め独自の新商品小紋染めが評判となるが、麻疹の大流行が起こり客足が途絶えてしまう。ちょうど今現在の新型コロナウィルス禍とそれによる経済状況の悪化を見据えていたかのようなストーリーです。小説の中ではいずれ流行も収まってまた商売が回り始め主人公:幸の商いでの活躍が楽しめるのでしょうが、私たちをとりまくウィルス禍はどうなるのでしょうか?
カテゴリー別アーカイブ: 本
「わたしは女王を見たのか」
「秋霜」
「八月の太陽を」
「勿忘草の咲く町で」
勿忘草の咲く町で
~安曇野診療記~
夏川草介
角川書店
「神様のカルテ」シリーズでお馴染み・夏川草介さんの新作。長野県松本市郊外にある民間病院を舞台に、本業お医者さんの著者ならではの若い看護師・月岡美琴と研修医・桂正太郎の物語。患者の高齢化で胃瘻や認知症・介護・看取りなど退院しても自分の生活に戻れるわけではない患者さんの治療のあり方、過重労働など地域の病院が抱える重い課題に正面から向き合い、その悩みが若い二人の物語の中に語られています。もちろん二人の関係にはちょっとワクワク。
「神様のカルテ」の主人公とも接点ができそうだったのですが、その楽しみは続編へ残したようです。と言うわけで続編も出してくれるんでしょうね、期待しています。
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「水曜日の手紙」
「恋するハンバーグ」
「熱源」
今年の直木賞作です。 サハリン島(樺太)の先住民アイヌの人たちを中心とした物語。先住民のものだった土地(島)が日本の支配を受けたりロシアのものになったり、日露戦争の結果日ロで折半したり、そしてまた日本の敗戦でロシアの支配下になったりと大国の間で翻弄される。支配する側の文化が高いとされてその文化を先住民に押しつけ土地を取り上げていく、そんな理不尽さや先住民と言われる人たちの悲しさが綴られていきます。
先日、台湾の先住民族がやはり日本や中国の支配を受けるようになっていく映画「セデック・バレ」をみました。以前には「ダンス・ウィズ・ウルブズ」という映画がありましたが、ここでもアメリカの先住民が移住してきた白人に土地を追われていく様が描かれていました。「リトル・トリー」という小説もありましたね。かつて西部劇を見て白人が正義、先住民が悪のような表現を何も考えずに見ていましたが、征服される側から見た征服者の理不尽な論理を伝えるのがこれらの作品の共通のテーマ。この「熱源」も読みごたえがありました。









