温暖化に思う(その③)

 私に雨水利用の手ほどきをしてくれた方、今は他界されてしまいましたがこの方から聞いた言葉があります。(以前にも一度書いたかな?)
「あなたの家に降った雨は、天からあなたに与えられた貴重な資源です。」
つまり私たちの所に降った雨は、私たちのところで蒸発させることが大事ではないでしょうか。現在は雨樋に集められた雨も道路脇の水路に流してしまい、せっかくの貴重な資源を流し去ってしまっています。私たちの手元に貯蔵し、貯蔵しきれない雨は家の庭に浸透させ、やがてはこの庭から蒸散させることによってかなりの涼しさを手に入れることが出来るはずです。この地に降った雨をゆっくりとこの地で蒸散させる、こんなことがヒートアイランドの解決の手がかりではないでしょうか。
 はなしを少し大きくして水道や下水道のことを考えてみましょう。大型水道では水源ダムから取り入れた水がはるばると人工的な地下水路を通って私たちの家庭までやってきます。家庭で使われた水道水は「水質汚濁を防ぐ」という名目で再び地下に潜り、はるか下流の下水処理場までいって処理されたのち初めて環境水として川に放流されます。これは降った雨をその場所で蒸散させるという考えとは全く反するものです。町がアスファルト化・コンクリート化し降った雨をすぐに流してしまう都市化と合わせて、私たちの生活環境の近代化が間違った方向であったというふうにも思えるのです。

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