「サクラサク」
さだまさし
短編集:「解夏」の最後、四作目です。
主人公は50歳代の働き盛り、仕事では会社の役員への糸口もつかんで充実。そんなときに同居の父が惚けの様相を示し始める。症状の出ていないときは家族をおもいやり心配してくれる父、しかし症状はどんどんすすんでいく。子どもとの関係、妻との関係など難しくなってそのままにしてていたが、正気の時の父はそんな家族のこれからを思いやってくれる。
出世をあきらめ病状が進んで向こうへ行った父の魂をまた一度こちらへ取り戻そうとするなかで家族をとりもどしていく、そんな物語、よい味わいの短編でした。
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