「くちびるに歌を」
中田永一
小学館
図書館で見つけました。ぱらぱらとめくってみると、「数か月前映画館の上映映画情報でたしかこんな風な作品があったな、その原作かな」と。合唱部の活動が舞台の内容で面白いかなと借りてきました。
女子生徒・男子生徒の二人の視点で物語が語られていきます。男子がなかなか一生懸命に歌わない、男子生徒と女子生徒の対立などなど中学生らしいおはなしです。アンジェラ・アキの「手紙~十五の君へ」がNHKのコンクールの課題曲になりヒットしたのは記憶にありますが、その作品がお話の中に流れています。
現代的な家族の悩み、障害を持つ家族のこと、友人関係のこと、音楽の道にすすんだ先生のこと(挫折?)などが詰め込まれて、最後はちょっと感動的。
でも、コンクールというものに疑問を呈していた先生のもとで唱った私たち、発声練習やパート練習というものを経ない合唱の世界に身を置いたものとしては、合唱といっても随分と違うんだなと思うところも大きいです。コンクールに向かって一生懸命、というところに感情移入はしにくいかな。