夏合宿 その2

 この合宿、先生ははじめから(だったと思う)指導してくださり、このときも次々と新しい曲を譜読みしてはレパートリーを増やしていったように思う。朝から夕方まで先生の指導を受けるのだから、感じることも多かった。詳しいことは覚えていないのだが、この合宿で何か開けてきたような明るい印象を持っている。何の疑問も持たず先生の音感合唱に向かって突き進んだこの時は、私の学生時代の記憶の貴重な1ページだ。夜は班別のミーティングのようなものがあったが、先生は各班にまわってこられて話に加わってくれた。このとき、「今回の休みほど合唱が恋しいと思ったことはない」というようなことを言ったところ先生が突然「何でそういう気持ちを手紙でくれないんだ」と厳しい口調で言われた。そういう便りを待っていてくれ、また便りを非常に喜んでくれた。先生に心を寄せれば、またやさしい心を返してくれる、そんな先生だった。しかし私にはそういう便りを送るような心は育っていなかった。今思うと残念なことである。

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