「朔と新」
いとう みく
講談社
「車夫」シリーズで好印象のいとうみく作品を、と手にしました。
朔(さく)と新(あき)は3つ違いの兄弟、2年前にバスの事故で兄:朔は失明してしまい寄宿舎つきの盲学校に転校、そして卒業し新たち家族の下に帰ってくる。そしてブラインドマラソンに挑戦するため弟:新をパートナーに頼んでくる。事故で失明した朔だけでなく、新や母:加子もそれによって心に傷を負い引きずっているが、ブラインドマラソンを続けながら複雑に絡まっていた糸が少しずつ解けていくようなおはなし。
話の途中には「車夫」の主人公:吉瀬走もさりげなく登場し、前作の愛読者ならこのお話にも一層親近感を覚えてしまいます。