「あずかりやさん」

あずかりやさんあずかりやさん
大山淳子
ポプラ社

 「さとう」と染められたのれんがかかるのは1日100円でものを預かるというお店。預ける期間を決めて代金は前払い、期日までに取りに来なかったらその品物はお店のものになる。その店主は盲目の若者です。この店に少女・盲目の店主のために点訳した本を持ってきてくれる女性・高校生・病気の社長さん等々いろいろな人が客として出入りし、それぞれが抱えた問題が店主の誠実さで晴れていくというおはなし集。時にはお店にかかっているのれん、お店の中にあるガラスケース、お客さんが持ち込んだ自転車等々の視線で語られていくのもお面白い。そしてそんな個々のおはなしがやがて何かの形で繋がっていきます。
読後にはじんわりとあたたかいものが残りました。続編もあるようです、楽しみです。

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