日別アーカイブ: 2006年7月12日

A男声合唱団

 私たちの大学で声楽を教えていた先生が、退職後自宅で男声合唱を指導されていた。誕生間もないこの男声合唱団には私たちの団体の団員も数多く参加していた。私も学生時代の一時期参加していたが、多田武彦の「柳川風俗詩」や「富士山」などの組曲を中心に唱っていた。ここの先生は温厚な方で、この団体の団員から尊敬されていた。ところが、なぜか佐々木先生のこととなると不快感をあらわにする。ある時、購入したばかりの大学合唱団東京公演のLPレコードを脇に抱えてこの練習に参加したことがある。練習が始まる前であったので、その部屋のオーディオ装置でかけてみようということになった。ところがLPの演奏が始まると、この先生はまた佐々木先生への不快感をあらわにしていろいろな話をされた。演奏会のアンコールの仕方など、全てにわたって気に入らないらしい。私はこの先生の人柄には魅力を感じていたが、佐々木先生の音楽はそれ以上に魅力的な存在だった。このレコードでの件以来、わたしはこの団体に足が向かなくなった。