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山形南高OB合唱団2013演奏会

南高OB合唱団演奏会

DVDをいただきました。内容は、

山形南高OB合唱団 2013/演奏会
指揮 : 佐藤英夫
11月16日(土) 午後2:00開演
文翔館議場ホール

早速聴いてみました。4ステージ構成で、1・2・4ステージは32人のOB合唱団。第3ステージは「ダブルカルテット+1」ということで9人編成の楽しいステージでした。曲目は全てア・カペラで、かつてのOBの録音で聴いたものがほとんど。「ダブルカルテット+1」は9人それぞれの前に譜面代を置き、服装もちょっとラフで選曲も併せてリラックスした雰囲気でした。

OB合唱団の編成は、T1:9,T3:7,Br:10,Bs6。こんな大人数の男声合唱、うたってみたかったな。

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南高OB合唱団のあゆみ

 Fさんがこんなタイトルのビデオ・テープを持ってきて見せてくれました。ケーブルテレビ山形の製作で、つい先日知人から受け取ったのだそうです。Fさんも初めて見るというテープを一緒に見ようと持ってきてくれたのです。


 内容は十数年前に撮影した映像で、「オムニバス公演」にむけた南高OBの練習や様々な取り組みが映像で紹介されていました。長年中心的に指導してこられた田島さんや発足当初からのメンバーなど、Fさんの説明を聞きながら見ていました。OBには男声合唱だけでなく、女声合唱も混声合唱もあるのですね。多くの人が初老を迎えている年代のOBがはつらつと音楽に取り組んでいる姿は印象的でした。


 そういえば、南高OBは2年前にはヨーロッパ旅行にも行ったんですよね。たまたま一緒になった団体と唄の交流をしたとか、何と素晴らしいセカンド・ステージでしょう!

南高OBの録音

 山形の知人から、長年南高OBを指導していた方の所蔵カセット録音テープのコピーをいただいた。メディアには次のように記されている。


    1.美しいハーモニー
          森山先生
    2.真剣なレッスン
          佐々木先生


 1.ではまずOBによる(かなり大勢)「聖なる心にのみ」。それから昭和46年(1971年)1月3日の男声カルテット1曲が収められている。後者は森山先生宅に唱い初めに集まったOB5人によるもので、森山先生が嬉しそうに年月日とメンバーを紹介している(私は森山先生の声をはじめて聞きました)。正月に先生の自宅にOBが集まってくる、和やかな雰囲気の中に先生とOBの心のつながりを感じる。もちろん演奏は男声の美しいハーモニーである。
 (その後カルテットの曲を問い合わせたところ、早速調べて頂きました。「主は我が牧者なり」、私たちが赤本と呼んでいた男声合唱曲集「グリークラブ・アルバム」の中に収められている曲だそうです。私は南高OBがこの曲を唱うのをはじめて聴きました。)


 2.は録音の日付は不明であるが、佐々木先生が、分離唱やカデンツからはじまり「Savior I Come to Thee」という一曲を熱く指導し音楽的に高まっていく様が残されている。録音の中で、先生はこの曲をはじめて目にし指導していると語っている。私のわかる範囲の演奏会の記録では、この曲は1972年の第11回南高OB発表会ではじめて登場する。1.のあとに録音されたであろうことと併せて判断すると、佐々木先生が72年の発表会を見据えて何回か山形に足を運んだこの年の練習風景であろうと推測できる。先生の指導の様子が知れる貴重な録音である。

新譜

南高OB55周年CD

 山形の知り合いからCDが送られてきた。タイトルは、

山形南高OB合唱団
55周年記念演奏会
2006年12月2日
山形テルサホール

 CDの表装にもかなりこだわったようだ。団員の唱っている姿、記念撮影、かつての学生服姿が混じった写真、佐々木先生や森山先生と多くの写真を組み込んでいる。

この団体は幾多の変遷があったのだろうが、誕生から55年を経たということらしい。私の生まれる前から続いている合唱団である。プレーヤーにかけてみると、確かに分離唱の匂いのする合唱である。かつての指導者を何人か失いながらも、分離唱の合唱を脈々と続けているらしい。

山形南高合唱部

 今回の森の音楽会では、南高OBから南校の合唱のことも聞いた。南高の合唱部員の多くは校歌に惹かれて入部するのだという。

 山形南高は男子校である、入学式といえばどこの学校にも式次第の中に必ず「校歌斉唱」がある。しかし、山形南高のそれは「校歌合唱」だったそうだ。この学校の校歌は三部合唱、もちろん男子校なのだから男声三部合唱とのこと。上級生のいない入学式に校歌の歌える人はいない。式がすすんでこの「校歌合唱」になると、南高合唱部がぞろぞろと前に出てきて合唱が始まるのだそうだ。佐々木先生から感化され分離唱一筋に合唱指導・音楽指導をしてきた森山先生が育ててきた男声合唱が新入生を迎えてくれる。なるほど、「校歌に惹かれて入部する」というのもうなずける。

 私は学生時代に、ある大学(の合唱団)に我々の合唱団のチケット販売を依頼に行ったことがある。この合唱団の男性は少なかったが、夜遅くまで下宿で話して帰ってきた。そして、その男性の中の一人は山形の出身だった。そこで「南高OB」のことを話題にしてみた。その人の話では、「あの合唱団は変わっている」という評価だった。

 山形には森山先生と同じ時代に、コンクールで名を馳せた合唱指導者がいるそうだ。そういえば私はその方面には無関心であったが、友人から「山形西高の・・・・」なんて話を聞いたことがあった。森山先生が分離唱指導でハーモニーの合唱を育てているとき、すぐ隣の学校では輝かしいコンクールの成果、なんと皮肉なことだろう。私たちにとっては輝かしい光を放っている山形南高とそのOBの合唱、それを育てた森山先生、田島さん、そして佐々木先生。しかし今開設されている山形南高のホームページにもその痕跡はない。あの輝かしい合唱の歴史を発信していただけないものだろうか。

再度の山形行き(その2)

 翌日は蔵王温泉に案内していただいた。温泉に浸かった後Fさんは「今日はいるかな」と、ここにおられる南高OBを訪ねた。忙しい方で不在のことが多いとのことだったが、幸いにもお会いすることができた。この方は南高OB合唱団で「十二人の盗賊」のソロを唱っており、佐々木先生の著書「耳をひらく」にも登場する。ソロを唱うだけあって、よく響くベースの声の持ち主で、しばらく親しく話をしていただき、帰路についた。

再度の山形行き(2006.8)

 わが家には息子が二人いる。小さい頃から、私の趣味で聞く佐々木先生の音楽の中で育ってきたが、成長するにつれて聞く音楽の好みも独自のものになってきた。そんな中で現実のきれいなハーモニーというものを一度聞かせてみたいと思っていた。そこで山形のFさんにお願いし、混声合唱の練習に合わせて山形行きを計画した。
 この合唱団は全員で10名、この日は2名欠席でソプラノ3、アルト2、テナー2、バス1の編成だった。ここに私たち夫婦を加えていただき、久しぶりにたっぷりとハーモニーに浸った。曲目は讃美歌と佐々木先生の「分離唱から入る音感合唱曲集Ⅰ混声編」から選曲されたもの、ほとんどの曲は私たちも唱えるものだが、なかには私たちの唱った編曲から更に先生の編曲の手が加わったものもあった。練習はまず分離唱、これを本当にたっぷりと行った。この合唱団の指導者は本当に分離唱をていねいにされる方だ。ここのメンバーの多くは指導者の方のピアノ教室に通っている人だそうだ。だからだろうか、指導者とメンバーとの信頼関係が本当にできあがっている気がする。そしてここの響きは昨年同様に美しい響きだった。間にゆっくりとティータイムをはさみ、楽しい会話が弾んだ。その後もう一度分離唱を行い合唱を続け、夜の8時半過ぎに始まった練習が終了したのは11時過ぎだった。

再度、山形の男声四重唱のこと

 1ヵ月ほどは毎日このCDを聴いたことは以前書いた。最近でも私は、毎日とはいわないがかなり頻繁にこの録音を聴いている。この録音の中で数曲唱った後、メンバーの一人の「ハモんねーなー。」ということばが聞こえてくる。こんなにハモっているのにそんなことをいっていると最初は驚きだったが、たしかに毎日のように続けて聴いていると決して完璧にハモっているわけではないことがわかってくる。しかし久しぶりに聴くとやはり「こんないいハーモニーはない」と思ってしまう。その理由は「聴きあうこころ」ではないだろうか。私は声のでないバスだが、私の耳に自然に飛び込んでくるこの録音のベースパートは本当に自然に聴いて自然に唱っている気がする。そんなこころのありようがうれしくなってくる。そしてメンバー全員のこころのありようもそうなのだろうと思う。

美わしの五月に(その2)

 最近いただいた南高OBの資料(のコピー)がある。音楽雑誌「合唱界」の1961年8月号の記事の冒頭にはこんなことが書かれている。


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    “音感合唱で育った美しいひびき”
                 みちのくに実った山形南高OB合唱団


 初夏の風かおる夕、南高合唱団を訪ねた。彼等の母校南高等学校の玄関から長い廊下を、キャプテンの、調所さんの案内で歩くうちに、「うるわし五月に つぼみも開けば・・・・・」記者は一瞬わが耳を疑った。これが東北の青年達の歌声であるのだろうか・・・・・。
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 この記者の文章からは、私がCDから感じ取ったうれしい驚きと共通するものを感ずる。長く聞いてきた南高OB合唱団の録音には登場せず、突然私製CDで出会ったこの曲ではあるが、やはりOB合唱団の歴史の中でも唱っていたのだ。そして同時に送られてきた古い音楽会プログラム(これもコピー)をめくると、
    第2回発表会(1957年)
    第3回演奏会(1958年)
    第5回発表会(1960年)
とこの曲は演奏会にも3回登場している。CDでは高校を卒業して間もない若いOBが仲間同士で楽しく唱っているのだが、佐々木先生指揮、南高OB合唱団の演奏はどんなだったのだろうか。聴いてみたい。

美わしの五月に

 男声四重唱CDの4曲目は「美わしの五月に」、この曲もハーモニーが美しい。しかも歌詞が自然に歌えるよい曲だと思う。この次に入っている「野路の夕べ」は、やはりハーモニーの美しい曲だが、歌詞と曲がマッチしていない印象があった。だからはじめて聴いた「美わしの五月に」もお気に入りの曲になってしまった。気に入ってしまうと楽譜が欲しくなる。Fさんに「楽譜はないでしょうか」と依頼したところ、やがて楽譜が送られてきた。男声合唱のこの曲と、南高OBが編曲した混声用のこの曲の2つだった。聞き覚えではどうしても歌詞が不鮮明なところがでてしまう。また歌詞を誤ってしまうこともある。楽譜を手に入れたおかげで、録音に合わせて唱うことが出来、そうしてこの美しいハーモニーを共有することができる。


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