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クラバート

クラバート
「クラバート」
オトフリート=プロイスラー (著)
中村 浩三 (訳)

読みました。ジャンルはファンタジー。
ブロイスラーは「おおどろぼうホッツェンプロッツ」の作者です。そのブロイスラーが「クラバート」の著作に心血を注ぎ、途中行き詰まって書いたのが「おおどろぼうホッツェンプロッツ」だそうです。そしてまた著作を再開し何年もかけて書き上げたおはなしだそうです。
内容をちょっとだけ紹介すると、粉ひき職人の世界が魔法使いの世界。魔法使いとして育っていった主人公がその世界を抜けだして自由と愛を勝ち取るまでのおはなし。個性的です。
すぐにその世界に引き込まれ、楽しめました。
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「山のトムさん」

 岩波書店「石井桃子集」を読んでいます。最近開かれた山梨子ども図書館講座「石井桃子の仕事」で講師の方が絶賛していたという児童文学の石井さん、そんな事を聞いているので読み始めました。
 この中におさめられている「山のトムさん」、日本の話なのにトムとうなはどういうことだろうと思っていると、飼い猫につけた名前でした。開拓にはいった家族がねずみの被害に耐えかねて苦手だった猫を飼うことに、その猫に名付けた名前が「トム」。トムを中心に開拓の暮らしが綴られています。石井さん自身の実体験に基づいて書かれているのだそうですね。この話の程にねずみに悩まされたことはないけれど、わが家も昔はねずみを穫らせようと猫を飼っていました。ねずみを捕まえると口にくわえて私たちの居間に見せに来て、部屋で放しては捕まえてしばらくの間遊んでから私たちの目の前でバリバリと食べてしまう。だからこのおはなしの情景、自分で見た光景を膨らませながら楽しめます。
 山の開拓の暮らしはどんなに貧しく厳しいものだったのだろうと思うのですが、そんな悲愴感は感じさせずに楽しくおはなしが展開しています。

「河北新報のいちばん長い日」

河北新報のいちばん長い日
家内のおはなしつながりの友人夫妻が来てくれました。そのとき持ってきて貸してくれたのがこの本です。大変なおすすめ本と理解しました。どうやら巷では評判になった本のようですが、恥ずかしながら知らなかった~。
仙台に本社を置く地方紙:河北新報社が震災による難題をつぎつぎと乗り越えて新聞刊行をつづけたドキュメント。リアルです。我々はどんなときでも新聞が届くのがあたりまえに思っているけれど、この震災下で続けることはこんなに大変だったんだと思い知らされます。
まだ半分、でもすぐに読了できそうです。

「自然農という生き方」

ジュンク堂で本を一冊購入しました。今読んでいます。

自然農という生き方
「自然農という生き方」
~いのちの道を、たんたんと
川口由一 + 辻慎一

最近は所有欲が少なくなっていますので、本の購入は久しぶりです。
「ゆっくりノートブック」というシリーズ本のようです。昨年5月発行ですから、新しい本です。スローライフということばがあるようですが、そんなライフスタイルを提唱している辻さんが自然農の川口さんにインタビューをして出来上がった本のようです。対談本というのはあまり読んだことがないのですが、ストレートなことばがおもしろいなと思います。福岡正信さんについてもかなり思い切った言葉で語られていて「ええーっ」と、一つの道をしっかり歩んだ人の強さでしょうか。
川口さんが芸術の方面にも強い思いを持っておられること、初めて知りました。内容には満足ですが、表紙カバーのコンピュータで描いた絵はちょっと・・・・。

「原子力神話からの開放」

原子力神話からの開放
「原子力神話からの開放」
高木仁三郎
今、読んでいます。
2000年に亡くなられた方ですが、行政側にも電力産業側にもつかない科学者として原子力を考えることが大事であり、それを実践された科学者とのこと。そして今回の震災に伴う原子力事故でこの方の警告が見直されているそうです。
先日も「高木学校」という言葉でTVで紹介されていました。
5月頃この方の名前を知って図書館に希望図書を2冊ほど出しておいたのですが、最近になって入ったことを知り借りてきました。原子力のこと、もやもやしたものが整理されてクリアになる思いで読んでいます。

日本の全電力の30%を占める原子力がほとんど止まってしまい、今は火力発電が90%くらいでしょうか。これもまた恐ろしい数字です。原子力が止まったのは嬉しいけれど、そんなにオール輸入ともいえる火力に頼り切ってしまうのも考えてしまいます。「電力需給が逼迫しているから節電」ではなく、日常の生活で節電、真剣に考えなければ。

藪内正幸美術館

私たちの町:北杜市には「藪内正幸美術館」があります。
藪内美術館1
北杜市白州町を走る国道20号線を南に入っていくと、山林の中の寂しいところ、道を間違えたのではないかと思う頃この美術館にたどり着きます。この季節は広葉樹も落葉してしまっていますが、そんな林の中にちょっとお洒落な美術館がたたずんでいます。

藪内美術館2
玄関横の壁には大木を輪切りにした板に墨書きしたこんな看板が掲げられています。

藪内美術館3
玄関をはいったところから写真を撮らせていただきました。奥に展示室の中が少し見えますがそこはちょっと遠慮して、ここは売店コーナー。でも残念ながら室内灯の光が絵のカバーに映ってしまいました。

そこでわが家にある本の表紙絵を一枚。
ガンバとカワウソの冒険
この本も面白かった~。

知る人ぞ知る、動物画家藪内さんの絵は写真以上だと言われているそうです。極めつきの動物好きで子どもの頃から動物画を描き続け、高校卒業の頃にその才能を見いだされて図鑑の絵、動物絵本、児童文学の挿絵などを仕事に。そんなことが先日、NHK山梨のローカル番組「金曜やまなし」で紹介されていました。動物画の基本として、その道を歩き始めたときには上野の博物館に通って骨格標本を書き続けた時期があるそうです。藪内さんの絵による動物飼育の指導書は、動物園関係者のバイブルだとも紹介されていました。
藪内犬

絵本画家の赤羽末吉さんの原画展を一度見ましたが、それは印刷物となってしまったものとの違いを見せつけられました。この藪内さんの動物画もそうです。膨大な量の原画から、展示画は時期がくると差し替えられてまた別の原画が見られるのだそうです。本で見る作品も素晴らしいですが、原画展を見に、この藪内美術館を訪れてみませんか。
藪内正幸美術館

http://yabuuchi-art.main.jp/

「ホビットの冒険」

ホビットの冒険
ホビットの冒険
J.R.R.トールキン作 瀬田貞二訳

読み切りました。
ホビットというのは小人、平和主義者かな。白雪姫の7人の小人の一族より小さく、ガリバー旅行記に出てくる小人国の小人より大きいのだそうです。このように小人を紹介するのに他のおはなしのなかの小人は登場してくるのってユニークですね。倉本聰の
「『ニングル』も確か小人だったけど登場しないんだ。」
なんて余計なことを考えてしまいました。よく考えるとこちらはホビットよりもあとに書かれたおはなし、当然です。

このてのおはなし、ファンタジーという領域にはいるのでしょうが、そういえば「ナルニア国」に似たような印象がありました。平和主義の主人公が冒険に出るわけですが、登場する人物(?)がそれぞれに非常に欠点もあり心も揺れたりとその人間臭さがいいなと思いました。最後も単純なハッピーエンドでなく味わい深い終わり方、面白い本でした。

ハイジ

ハイジ
「やっぱり古典を読まなきゃ。」

と、家内が「ハイジ」を借りてきました。そこで読み始めてみました。家内の職場の同僚は、

「え、ハイジって原作があるんでか?」

と言ったとか。私は原作以外のものがあることも知りませんでした(笑)。

外国文学、翻訳物って取っつきづらいイメージがあります。登場人物がなかなか覚えられない、その話の中になかなか入り込めないという印象ですね。文学を翻訳するのは難しいことと理解しているのですが、しかしこの「ハイジ」は違いました。スッとそのお話の世界に入ることが出来、そしてきれいな心の世界が語られています。それから自然の描写、こんなに生き生きと描いている文章に「あー、この作者は自然が好きなんだ」と思ってしまします。「祈りの本」だとか「ハイジによって多くのひとが救われていくんだ」とか聞きましたが・・・・。500ページの長編です。今回も高幡不動への往復で大分読み進みましたが、半分を超え残りの方が少なくなってくるとはなしが終わってしまうのが惜しくなってきます。着陸はゆっくりにしようかな。

サクリファイス

サクリファイス
東京へ行く前日、図書館で司書の方に、

「久しぶりの電車旅、旅の友におすすめはありませんか?」

と聞くと親切に考えてくれました。そして書棚から持ってきてくれたのがこの本。自転車のロードレースを舞台として物語が展開していきます。サクリファイスとは「犠牲」というような意味らしい。自転車ロードレースは団体スポーツ、そしてそのチームから勝者を出すために影で力を尽くす人達がいる、そんな意味でこの書名となったようです。主人公は陸上のトラックで育ち、勝負への複雑な思いから自転車の世界に転向。そのあたりの心の動きもからめたロードレースの世界、惹き込まれてしまいました。竜王駅から高尾、そして高幡不動までの往復のあいだ久しぶりに読書にふけり、この一冊をちょうど読破しました。後味もよい電車旅となりました。

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手作り絵本展②

版画絵本1
今回この絵本展を見に行った最大の目的は「版画の絵本」でした。手作り絵本展は何度か見ていたのですが、版画の絵本は見たことがありません。私の下手な版画年賀状のためにも何かしら得るものがないかなという下心からでした。

版画絵本2
版画絵本の作者の方は何点か出品・展示していました。その一つは「草花のいろはがるた」(という名前だったかな?)、その中の一ページを写真に撮りました。「つ」のページ、「つ」の花は「つくし」・「つゆくさ」・「つりがねニンジン」。このようにそれぞれのページには三種類ほどの花を版画にして絵本を構成していました。その一ページ一ページが版画らしい表現で実にうまく描かれています。

版画絵本3
こちらは、「いろはいろいろ津々浦々」。作品の表紙には作品整理用の帯がかかっていて表紙を撮っても表紙絵の一部を隠してしまっていたのですが、こちらは中表紙にも同じ絵が刷り込まれていました。上手ですよね。
この作品は「いろは・・・・」の順に格言を、それに合わせた版画絵とともに綴っていました。

版画絵本4
「や」のページは「安物買いの銭失い」。絵柄は昔話や童話からとっているんでしょうかね。一ページめくるとその格言が手書きで解説されています。この右ページは一つ前のかるた「臭いものには蓋」の説明です。

版画絵本5
「門前の小僧、習わぬ経を読む」、版画らしいよさが出ていますよね。草花のいろはがるたの本から、さらにまた一段と洗練されています。世界で一冊だけの版画絵本、いかがでしたか?