原村菖蒲沢・柏木地区を過ぎてまもなく茅野市宮川の丸山地区にはいります。ここも鏝絵の多い地区、原村のような詳細な資料はないのですが逆に歩いて鏝絵を発見する喜びがあります。そしてこの集落では14件の鏝絵蔵を発見できました。(写真をクリックして拡大写真をご覧下さい)
丸山1
県道沿いで真っ先に見つけた蔵、両面の丑鼻に大黒・恵比寿が描かれています。恵比寿様はよく見る構図ですが非常にきれいに描かれています。虹梁部分は劣化を防ぐためか周囲を囲って雨風から守られていますが家主さんにお許しを頂いて中に入って見せていただきました。保護の甲斐あってか虹梁横の鶴亀の鏝絵は色鮮やかでこれまた綺麗です。こちらの鏝絵はこの集落内にお住まいの左官さんだったとのことです。
宮川2
北側に「波に亀」、南側に「波に鶴」。大変新しい蔵で鏝絵の作風にも新しさを感じます。
丸山3
丑鼻には鏝絵はなさそうでしたが、虹梁には新しそうな鏝絵がありました。


丸山4
こちらは大黒様。
丸山5
こちらはよく笑っている布袋様、お腹も立派です。
丸山6
ここもまた新しい蔵。虹梁のアヤメ、波に鶴亀、そして大黒様、どれも斬新です。
丸山7
こちらの蔵には虹梁の左右ににかなり古そうな龍の鏝絵。 迫力!
丸山8
それぞれ亀と千鳥が飛んでいる若葉が虹梁とハチマキに並行しているのは珍しい。丑鼻の一方は福禄寿、珍しいだけにプラスチックトタンに覆われてよく見えないのが残念です。
丸山9
こちらは布袋様、壁と覆いとの間を下から見上げなければ見えません。正面から見たいものです。
丸山10
白い漆喰だけで描いた虹梁の鏝絵、かなり古いもののようです。丑鼻はやはり壁と覆いの間を見上げるようにしてでないと見えません。でもちょっと時代を感じさせる大黒様。
丸山11
鯛を釣り上げる恵比寿様、丸山1と同じ作者でしょうか。
丸山12
虹梁横には「鶴と亀」、丑鼻は両面に鏝絵で「大黒様」と「恵比寿様」。恵比寿様は狭いところを見上げて撮ったので頬など盛り上がった肉感がよくわかります。
丸山13
「波に鶴亀」、色彩を使わず古い作品のようです。
丸山14
丸山地区の鏝絵蔵ではここが最南端。古い作品らしく傷んできて余り鮮明ではありませんが、波打ち際の岩場に亀が何匹か描かれているようです。