茅野の盆地にポコリポコリと二つの小山が東西に並んでおり小泉山・大泉山といいますが、この小泉山の北側を山に沿って流れているのが柳川、柳川に沿って走っているのが通称「火とぼしの道」とよんでいます。「火とぼしの道」に沿って下流側から並ぶ下古田(ふった)・上古田・御作田(みさくだ)の三集落を巡って15ヶ所の鏝絵を見つけました。
下古田1
これはどうやら寺のお蔵、色あせてはいますが絵柄は蝶のようです。国蝶オオムラサキで知られる山梨の長坂にもこのような鏝絵がありましたが、この地でも見られるとは。どんな意味合いが込められているのでしょうか?
下古田2
鏝絵の手前に立木があり大変見にくいのですが、どうやら「鶴と亀」のようです。
下古田3
これは「大黒」。右手に打ち出の小槌を持ち、左手を口に当てて何やら叫んでいます。
上古田1
「大黒様」は施主の人気No.1でその表情も色々。表情の違いに注目してみても面白い。
上古田2
こちらの鏝絵も「大黒様」。蔵と同じ形に育て刈り込んだ生け垣に注目。
上古田3
頬杖をしてにんまりとした「大黒様」。よく見と上衣には細かな柄が入っています。
上古田4
小さな蔵ですが両面の丑鼻に鏝絵が施されています。「SA」は何を意味しているんでしょうね。「波に千鳥」も美しい。
上古田5
こちらの「大黒様」は歯を見せてニカッ!。衣の色使い、袖口や衣の裾に縁取りがなされて特徴的な大黒様。
上古田6
波の上をジャンプする「うさぎ」は少々肥満気味(笑)。
上古田7
頬杖する「大黒様」。帽子(?)にも柄が入っていたり、胸には黄色の布があてがわれていたり。
上古田8
東西両面の丑鼻に「恵比寿」・「大黒」。虹梁の側面にも「鶴亀」の鏝絵が。
御作田1
御作田集落の外れにある大きな蔵の大版の鏝絵が両側の丑鼻にあります。一方は「波に鶴亀」、淡い彩色で品があり秀逸な作品。縁取りを広くとっているのも特徴的。もう一方はこのお宅の姓が「波間の亀」とともに描かれています。
御作田2
こちらの「大黒様」もにっこり。衣の色も作品の印象作りに一役。
御作田3
窓枠がかかって半円形となった丑鼻部分に綺麗な鶴が、そして右下の妻壁にはかわいい亀が一匹。楽しい一品。
御作田4
亀が二匹。奥まったところにあり、危うく見逃してしまうところでした。