「天翔ける」

天翔ける天翔ける
葉室 麟
角川書店

幕末に名君と言われた福井藩主:松平春嶽の物語。時代物作品の多い著者ですが、実在の人物を歴史に則って書いている感じで今まで呼んできた作品とはちょっと趣が違う感じがします。でも、西郷隆盛を描いた「大獄 西郷青嵐賦」とは共通点があるかな。史実をよく調べて、淡々と語り描いている印象です。

読む前の私の知識は「維新の頃松平春嶽という人物がいた」という程度、この人物の維新の頃どう存在しどう働いたのか、はじめて知ることができました。昨年は大河ドラマ「西郷どん」もありました。同じ時代を別な視点で眺めることができたように思います。15代将軍の徳川慶喜像もまた面白い。

葉室さんの文章、私は好きです。西郷の死と共にこの人の一生もスッと収めてしまったような終わり方、改めて西郷さんはこの時代を代表する人物だったんだなとも思いました。

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