ゴールデンウィークに鏝絵巡りに行ってきました。ここは長野県茅野市の笹原地区、一つの集落の中にたくさんの鏝絵があるところ。2時間くらいですべての鏝絵を楽しめます。ネットで探すと、
「茅野市笹原 くら、こて絵と庭園めぐり」
http://www.pamph-navi.jp/art/view_dynamic/pdfView1.php?src=pam10010037
というパンフレットがあります。この中には板倉・土蔵・そして鏝絵の施された土蔵、社や石仏などの存在がわかりやすくまとめられた地図が載っています。鏝絵の場所には番号がふられた18カ所、それから番号のない鏝絵2カ所がありました。この地図を基に、鏝絵の番号の順に歩いてみました。
地図をたよりにマイカーを走らせていると、笹原集落に入る前に早速道路沿いに鏝絵を発見しました。
この駐車場には柳の大木があります。ここに駐車させていただいて、ウォーキングスタート。
まずは番外の鏝絵、道路の裏側だったのでさがすのにちょっと苦労しました。
やわらかな色合いの立派な大黒様。鏝絵のすぐ前に木製の棒が立てられていて、こんな角度がベストショット。蔵の傷みを支えているのでしょうか。
蔵印のところではなく、蔵の入り口側の上にある梁の上に装飾を施したもの。こういう場所での鏝絵、はじめて見ました。
この時期ですから武者幟が上がっていました。私達が普段目にするのは信玄や謙信などを描いたまさに武者幟。でもこちらは龍の絵柄、ところ違えばこういったものも変わってくるのでしょうか。
No.5 ちょっとくすんだ感じで遠くからは何の絵柄なのか?
龍でした。ちょっと不気味な感じ。
No.6 壁を黄土色に塗ってあるところを見ると、これは戦前の作品でしょうか。
頭をもたげた亀が立体的です、上方は何を著しているのでしょう? 雲、煙、それとも梵字でしょうか。
No.7 こちらはカラフルな大黒様
N.9 滝に打たれる亀。亀が3匹いるのがわかりますか?
木口の側は波に千鳥。
No.12 こちらも大黒様、色合いも違いますが足の向きなども微妙に違います。同じ職人さんの仕事だと思いますが、少しずつアレンジして行くのでしょうね。
あきらめていたNo.10の蔵の蔵印の鏝絵が遠くから見ることが出来ました。
No.13 左官さんの仕事ではありませんが、屋根棟下の木製の装飾もなかなか。
鯛を釣り上げる恵比寿様。波立つ海、赤い鯛、腰の魚籠、あまり見かけない図案です。
窓枠もおしゃれですが、枠に這っている一匹の亀がまた楽しい、職人さんの遊び心です。
蔵の入り口上の梁の部分は虹梁というのだそうですが、その木口部分には虎があしらわれていました。
集落の端まできました。田園が広がり、はるか向こうには霧ヶ峰方面の山が眺望できます。
これはまた色鮮やか。
No.16 ここには蔵印の鏝絵はないけれど、虹梁が見事です。木口側は亀に鶴。
ここのご主人さんにはおはなしを伺うことが出来ました。この集落は鏝絵だけでなく、多くの家に水が引かれ池をもった庭が作られています。これらの多くはバブルの時期に作られたのだそうです、新しい鏝絵のようです。
これは火の番地蔵といわれるもの、集落の中に何カ所か見られます。
その上方、屋根棟のすぐ下のここはハナブカと言われるところ。ここにも鶴の小さい鏝絵がありました。
これは番外、色あせて鮮明さは失われていますが、古いもののようです。
鏝絵はこれで終わり。短時間で多くの鏝絵を見ることが出来ました。漆喰壁の蔵は板倉の上に漆喰を施したものだそうです。板倉も数多く見られました。壁板はかんながけなどせずささくれ立っていましたが黒塗りされてこれはこれで素朴で風情のある蔵です。この写真も撮ってくればよかったな。
鏝絵巡りを終えた後は県道を上流方向にしばらく車を走らせ、御射鹿池まで行ってきました。綺麗な池ですが、色合いよく撮れなかったようです。簡素で魅力的な池でした。
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