「アキラとあきら」

アキラとあきら

「アキラとあきら」
池井戸潤
徳間文庫

零細工場の息子:瑛(あきら)と大手海運会社の御曹司:彬(あきら)の物語。父の工場が倒産し新しい地で生活する瑛、父の会社を継ぐことを期待されながら独自の人生を歩み始める彬。二人が顔を合わせるのは銀行という舞台、やっぱりここでも池井戸ワールドです。二人の主人公が歳を追って成長していく姿が並行して描かれ、行員新人研修では融資を申し込む側と審査する側に立ち模擬対決する。そしてやがては本当にその立場となっていく。面白い話の組み立てでした。

昨年文庫で登場したので新しい作品と思いきや、実は10年ほど前に雑誌に連載された長編小説。今人気の池井戸ワールドの先駆け的な作品のようですが、爽やかな主人公二人を描いていて読後もまた爽やかです。

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