藤沢周平 父の周辺

藤沢周平_父の周辺藤沢周平 父の周辺
遠藤展子
文藝春秋

 先日、テレビドラマ『ふつうが一番 〜作家・藤沢周平 父の一言〜』を見ました。おもしろいドラマで原作を読みたくなり、図書館で借りました。

内容は娘から見た父・藤沢周平といった感じのエッセイ。この作家の飾らない日常の姿が描かれています。ドラマはこの本の中のほんの一部、原作からアレンジしているところもみられました。佐藤B作が親戚の問題児(?)として登場しましたが、原作にはそれらしい人物は登場しなかったな。母が主人公の反抗に「出て行きなさい」、主人公の家出、・・・・の部分、父が母に向けたきつい言葉を祖母が最後に窘めるようなところ、原作にはありませんでした。エッセイは淡々と語られていますがドラマはさすがにドラマチックにアレンジされていますね。ドラマは父の直木賞受賞で終わっているのですが、原作はさらにさらに続きます。

藤沢周平は私にとって好きな作家の一人で、読みあさった時期もありました。時代物、特に地位も低く貧しいけれども腕は立つという江戸期の武士を描いた作品、印象深いですね。藤沢周平の郷里である山形:鶴岡を舞台にしていることが多いようです。代表作は私の中では「蝉しぐれ」かな。はじめて山形を訪れたとき、この作品を電車旅の友に持って行ったのも何かの因縁(ちょっと大げさかな)。江戸期の女性を多く登場させるのに、家族に「女性の名前をたくさん知りたいと言われ、電話帳で片っ端から女性の名前を書き出して渡した」なんていう裏話などなど興味深く読みました。

藤沢周平ファンならおすすめですよ。

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