「ダムに沈んだムラのこと」

母と一緒に写真展を見てきました。タイトルは、
「ダムに沈んだムラのこと」
~塩川ダム、できて十年~ 写真展
長坂郷土資料館
10/4~2/22
「ダムに沈んだ村のこと」
私の母はこの「ダムに沈んだムラ」の隣の部落の出身です。どこへ行くにも徒歩の時代に育った母にとって、この部落の風景も心に焼き付いています。展示されているのはすべてモノクロ写真です。家の慶事、神社の祭り、小学校の運動会、・・・・、生活の様子がぎっしり詰まった写真の数々です。この頃、写真といえば記念写真的に撮影するものだったのでしょうが、よくこんなに生活の場の記録を残してくれたものだと思います。母にとっては知った顔も何人も登場し、当時の生き生きとした情景の中に心を泳がせていたようです。
もちろん私も母ほどの強い記憶ではありませんが、ダムに沈む前の情景がよみがえりました。自家用車の中から眺めた家々、川沿いを上る道、小学校の遠足で歩いたことなどです。ダムの賛否がそこに住む人やその出身者たちの間に複雑な隙間をつくってしまったようなことも、わずかな文章の間からうかがえました。実は私の部落もこのダムの候補地でした。「ふるさとがダムに沈む」、深い痛みなのでしょうね、きっと。

「ダムに沈んだムラのこと」」への2件のフィードバック

  1. いさお君

    塩川ダムの建設中に
    ダムの底で重機の修理をしたことがありました
    ダムが出来る前に増富に行ったことがあったので
    修理に行ったときに変わりすぎた景色に
    驚きました。
    今でも増富の温泉に行くときに
    ダムを見るとその当時の驚きを思い出します。

    返信
  2. すすき

     ダムの底に行ったことはありませんが、私も工事中には何度も今の湖畔の道から工事をしているダムの底を見下ろして眺めました。家も田畑もなくなり、不毛の土地となって湛水を待っている光景も印象に残っています。
     長い工事でしたね。

    返信

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