「絶滅危惧種」と「ハイブリッド種」

 友人のブログにハイブリッド車「○○ウス」にリモートスタートをセッティングする人がいるとの紹介がありました。エンジンとモータ併用のこの車は、停止しているときはエンジンは止まってしまう。そもそも環境に優しいはずのこの車なのにユーザが乗り込む前にエンジンをスタートさせることに矛盾(?)というような内容です。
    環境に優しい車とリモートスタート
    http://isaokunn.at.webry.info/200804/article_1.html
 この記事をよみながら、この方の以前のブログ記事をおもいだしました。この方はしばらく前にマニュアル車を購入したのですが、マニュアル車の車選びは大変だったそうです。今はマニュアル車の生産が極端に減ってしまい、マニュアル車は「絶滅危惧種」とユニークな表現をしていました。たしかに「○○ウス」を代表とするハイブリッド車はまだまだ発展していくのでしょうね。そう言う意味では「絶滅危惧種」とはかけはなれた存在ではあります。それに対してマニュアル車というのは、現代のユーザの支持はあまり得られず、まさに「絶滅危惧種」なのかも知れません。
 ところで、話を野菜などの種子に向けましょう。「ハイブリッド種」という言葉はむしろ種子の世界が元祖といえるでしょう。見た目がよく、病虫害にも強く、味が良く、・・・・といくつもの優れた性質を持った生命体を掛け合わせてできた種をハイブリッド種とかF1(エフワン)とか読んでいます。しかしこの掛け合わせてできた生命体の多くは次の世代へと健全な生命を繋いでいく力がないことが多いのです。これに対して「在来種」と呼ばれる、古くから延々と命を繋いできた種は病気には決して強くないかも知れない、食べても甘くないかも知れないけれど、成長した後実を結んだ種子はまた次の世代へと脈々と命を繋いでいく生命力にあふれた生命体なのです。
 こんなことを考えると、いったいどちらが「絶滅危惧種」なんでしょうかね。子孫を残すことのできない「ハイブリッド種」は絶滅危惧というより、最初から次の世代に命を繋いでいくことができない種なんですよね。近代農法からは見放されてしまったかに見える「在来種」こそ生命力を維持している大事な種なのです。そして、この「在来種」を大切に育てている種苗会社が今も存在するのです。
 こんなことに考えを及ばせながら、シンプルで自動車本来の良さをもった「マニュアル車」もいつまでも残ってほしいものだと思ってしまいます。
(27.5k CT)

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