「生命を食す」

 食品添加物、ポストハーベストなどが施された食品はできることなら摂取したくありません。これらのものが私たち人間の健康にとって決して良くないだろう事は容易に想像できます。私もこんなふうには考えていたのですが、もうどのくらい前になるのでしょうか、クローン羊ドリー誕生のニュースが世の中を駆けめぐりました。クローン羊の延長線上には当然クローン牛があります。クローンの研究は人間の口に入る食肉がターゲットであることは間違いありません。私の心の中にはそういったクローン牛を受け入れない感覚があります。しかし、健康で肉質もよい牛のクローン牛を生産したとしたら、それを食したとしたら、人間は何かまずいことがあるのでしょうか。私がクローン技術を拒絶する根拠となるものはあるのだろうか、ただ観念的に拒絶しているだけなのだろうか、とそんなことを考え始めたのです。
 そうしてたどり着いた考えが、前回書いた「人間は生命を食べているのだ」ということでした。クローン牛がいくら健康な牛のクローンであって病理学的にも栄養学的にも問題ないとしても、おかしな生命の誕生過程を経てきた生命はとても健全な生命とはいえないと思うのです。
 私たちの食が「生命を食べる」ことだと考えることは重要なことだと思うのです。食品添加物の何が有害、何が無害なんていう知識は本当は必要なのでしょうか。そういう知識はなくとも、この「生命を食べる、健全な生命を」と考えることで自ずと私たちの食が正しい方向に向かっていくことになると思うのです。
(24.0k CT)

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