カラオケもどき

 親戚でカラオケを買って楽しんでいるという。その親戚に母を連れて行ったところ、カラオケがはじまってしまった。カラオケと言えば膨大な量のテープやディスクから曲を選ぶものだと思っていたが、取り出してきたカラオケはマイクが一本だけ。このマイクをテレビの入力端子につなげば、カラオケが楽しむことができる。マイクにはたくさんのボタンが付いており、このボタンを押して選曲をする。どこに曲(録音)が入っているのだろうと思っていたが、このマイク型の装置の中に数百曲のカラオケが記憶されているらしい。 曲がなり出すと一見普通のカラオケだが、よく聞いているとどうやら少し違う。いろいろな楽器の音に似せてはいるが、どうやら全て電子音楽だ。機械が演奏しているに過ぎない。私たちはこの無機的なカラオケを自然に受け入れて歌を楽しみ、知らず知らずのうちに慣らされてしまう。そう言えば最近は目覚ましや着メロ、挙げ句の果ては風呂の沸き上がりまで人口音声に囲まれてしまっている。ちょっと前までは一目瞭然で電子音とわかったのだが、最近の技術の進歩は始末におえない。ちょっと油断するとしっかりと生活の中にはいり込んでしまっている。

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