ラジオ深夜便(続き)

 柳生さんの育ったのは茨城の田舎のようである。その風景が原風景として心に残っていて、それに通ずる環境で子どもを育てたい、そんな気持ちから八ヶ岳山麓に移り住んだとのことだった。そこで子どもを育て、やがてはお孫さんもここで育っているとのこと。お孫さん今では「かさこそ」遊びが大好きだという。林の中には落ち葉がつもり、その中を歩くとかさこそと音がする、落ち葉を掘れば腐葉土があり、その中にはたくさんの生命の営みがある。そんな林の中での散策や遊び、それを「かさこそ」遊びと名付けたらしい。こんなふうに孫を林の中に連れ出す柳生さんは、「センス・オブ・ワンダー」で甥を自然の中に連れだしたレイチェル・カーソンと全く同じではないか。柳生さんの話していることはまさに「センス・オブ・ワンダー」の世界ではないかと思ってしまった。

 「日本野鳥の会」の会長でもある柳生さんは、「鳥インフルエンザを媒介する可能性がないとは言えない」燕について、幼稚園につくったその巣を片っ端から壊してしまった人間のありようにも大きな怒りを表すなど、さまざまな話を本当に熱く語っていた。柳生さんの経営するお店が八ヶ岳山麓にある。一度言ってみたいとも思う。

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