障子貼り

 昨日、障子貼りをした。障子貼りといえば子どもの頃は年中行事、正月を控えた年末に行う子どもの仕事だった。養蚕農家であったためか壁の少ない家で、部屋の仕切のほとんどが障子だった。年末に貼り直す障子の数は多かった。障子紙を最初は快調にビリビリ破き、そのあとは念入りにはげのこった紙をとる根気のいる作業だった。ノリは小麦粉を水で溶いて煮て作り、刷毛で障子の骨に塗る。新しい障子紙は幅が4~50cm程度に決まっていて、1本の障子を貼るのに下から上へ数回に分けて貼っていった。最後には水を口に含んで貼った紙に吹き付ける、これが乾くと貼った紙がピンと張ってくれた。


 それから、飼い猫の通り道として一箇所だけ紙に切れ目を入れておく。猫はこの狭い区画を潜って通り抜けていた。今の家の造りでは、こんな猫への配慮ができない。今の猫は大変だ。(笑)


 今回使用した紙は「アイロン障子紙」、アイロンを当てるとノリが溶けて、冷めると貼り付くというしろものだ。紙は大判で、障子一枚を一気に貼れてしまう。剥がすのにもアイロンを当てれば簡単にはがれる。便利になったものだ。しかしこのノリは紙の全面に塗ってある。使う部分にだけノリを刷毛で塗る以前のやり方から見ると、便利にはなったけれどももったいない部分もあると考えてしまう。貼り終えると子どもの頃と同様に、焼けて黄ばんできていた障子(紙)からよみがえった新しい障子の白の鮮やかさを感じる。

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