「天空の舟」

天空の舟「天空の舟」上・下
宮城谷昌光
文春文庫

少し日が経ってしまいましたが、読了報告。

宮城谷文学としては初期の作品のようです。
中国・夏王朝を倒し商王朝を開くのに尽くした伊尹という人物が主人公です。物語を左右するいろいろな人物が登場しますが、ある時は非常に聡明で肩入れして読み進めていると、その同一人物の欠点がいろいろとあぶり出されて嫌な人物になったりまたそれがもどったりします。人はすべて善ではなくすべて悪でもないのは確かですが、同じ人物の人物像があまりに変化すると読み手としては躊躇してしまいます。

中国文明も商王朝までは文字を持たなかったとか、そういう時代の伝説的な人物を描く長編小説を書くというのは大変なことなのでしょうね。いろいろな想いをもちながら読み終えました。

 

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