日別アーカイブ: 2021年11月10日

小尾街道巡りウォーク(第5回)

コロナ禍で活動休止していた八ヶ岳歩こう会も10月から再開。しかしなかなか都合が合わず会のウォーキングに参加できなかったのですが、先日の

甲斐のむかし道・小尾街道巡りウォーク(5)

に参加してきました。久々のウォーキング、そしてその報告です。

小尾街道は別名:穂坂路とも呼ばれ、甲府から茅ヶ岳の麓を回って長野県川上村に至る古道です。今回はその第5回で須玉町江草地内、両組地区の根古屋神社から八巻地区を経て岩下地区までのコースでした。

 

Imgp937710:30、根古屋神社に集合してまずは集合写真、そしてスタートです。

この神社は鳥居の左右に国指定天然記念物の大ケヤキがそびえており、地元では「田木・畑木(たぎ・はたぎ)」と呼ばれています。それぞれのケヤキの根元には大きな石があり、石の上部が平らな方が「田木」、傾斜のある方が「畑木」です。

 

Imgp9368これは「田木」、見事な大木ですが雨で浸食されないよう洞を補修材で埋めてしまった姿は痛々しい。


Imgp9374神社の道向かいには丑鼻に鏝絵がほどこされた蔵があります。

Imgp9375松に鷹の図案はよくあるのですが、ここは「楓と松に鷹」。珍しい。

 

Imgp9379街道を少しだけ逆戻りして、ここは根古屋の口留番所跡。石造物と高い石垣がその名残らしい。小尾街道に口留め番所は4ヶ所あったのだそうですが、今回はその2ヶ所を巡ります。
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このあと山城の獅子吼城址に登る予定だったのですが、時間の都合でここに上るのは見合わせ。登り口だけ見て次へ向かいました。

 

Imgp9381この獅子吼城址の麓から塩川下流方向に視界が開けています。

 

Imgp9383改めて上流方向に向かい、再度根古屋神社前へ。ここに見えるのは「畑木」の方、巨木の様子がおわかりいただけると思います。

 

Imgp9384集合場所だった駐車場の楓も紅葉の盛りです。

 

Imgp9385次の目的地は廃校になっている旧江草小学校。これは校庭への門の前石段を登るところ。校庭下の土手に植えられた樹木が立派な並木になっています。ちょうど紅葉のよい時期です。
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校庭に入るとそこは古タイヤで囲まれたゲートボール場、校庭からさらに一段高いところに古い校舎が今も建っています。昭和の面影を残すこの校舎、2005年に放送された国仲涼子主演のテレビドラマ「みんな昔は子供だった」のロケに使われたのです。職員室などこの中での撮影。校舎は今では老朽化が進んでいるのですが、紅葉に囲まれて良い雰囲気です。

 

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校庭に群れるのは我が歩こう会の面々。ゲートボール場以外は草芝生で、ここでも紅葉に囲まれてホッと一息。

 

Imgp9392小学校の隣地には中学校があったのですが今は校舎は無く地域のスポーツ広場となっています。ここからは遠くに瑞牆山が望めます。

 

Imgp9395再び歩き始めました。県道をできるだけ避けてたんぼ道をすすみます。振り返るとこの日は登れなかった獅子吼城址の山が空に突き出ています。見晴らしもよさそう、登りたかったな。
Imgp9398次の目的地は十五所神社、社殿の中にあげていただき宮司さんのお話しを聞くことが出来ました。この江草地区には十五の神社があり、それを束ねる神社とのこと。神社のお参りのマナーなども教えていただきました。脱いだ靴を外へ向けること無く神殿を向いたまま上がり、かえりにはこのように神殿に背を向けないように靴を履いてお辞儀をして帰るのだそうです。
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次の目的地は「馬場の口留番所跡」。しばらく県道を進んだ後、一段高いところにある馬場集落に向けて急な坂を登ります。

 

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馬場集落に入り小さな路地をはいると番所跡の建物があります。トタンを被せた藁葺きの質素な建物、下から見ると屋根材の藁には籾がついていました。しっかりとは稔らなかった稲わらをそのまま屋根葺きに使ったようです。

 

Imgp9402口留番所跡の入り口近くには「萬霊塔」の石碑や「秋葉山」の石灯籠が並んでいます。

 

Imgp9403馬場集落から再び県道に下る坂道、道路脇下手を見下ろすと林の中の黄葉がまたきれい。

 


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ここは県道沿いの旧家、ちょうど見頃を迎えたカエデと立派なかやぶき屋根の組み合わせは目を惹きます。手前には太い薪がきれいに積み上げられています。

 


Imgp9411八巻の県道を離れて落ち葉の路を下り、塩川を渡って漆戸集落へ向かいます。

 

Imgp9412漆戸集落から岩下地区へ抜ける道も林の中。黄葉と木漏れ日の中をすすみます。

 

Imgp9416この日最後の見学場所「岩下の十王」。十王信仰は死者が冥土に行くと寒さや飢え、渇きに苦しみながら初七日~三回忌までのあいだ冥土にいる十王のもとをまわり生前に行ったことの裁きをうけるというもの。中でも最大の難関は閻魔大王の裁きで、この際に遺族が手厚い追善供養を行えば判決がよくなるとのこと。そこでこのような十王がまつられているのです。
そしてこの十王像十体がそろっているのは非常に珍しいのだそうです。しかもここには裁きの際に生前の善悪を映し出す「浄玻璃鏡」や裸にして生前の罪の軽重をはかる「業秤(ごうばかり)」もそろっているのです。十王像は金網に囲まれて配置されているのですが、屋根がないのは石像の苔が枯れてしまわないようにとのこと。

ここからゴール:岩下公民館までは10分ほどの下り坂。ゴール後、事前に置いておいたメンバーのマイカー4台でスタート地点に戻ってこの日のウォークを終えました。一週間ほど前から雨予報だったのですがこの日は穏やかに晴れ、暖かな日差しの中、紅葉に彩られた自然の中を歩くことが出来ました。

リーダーさん・サブさん、おかげで楽しく嬉しい一日でした。ありがとうございました。

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