日別アーカイブ: 2015年12月10日

「死の淵を見た男」

死の淵を見た男

死の淵を見た男
吉田昌郎と福島第一原発の500日
角田隆将
PHP研究所

私が「プロメテウスの罠」を読んでいると知った息子が「読んでみたら」とすすめてくれました。行きつけの図書館には蔵書がなかったのですが、図書館ネットワークで取り寄せてくれました。

「プロメテウスの罠」は原発事故にともなう様々のことを原発の外部・周辺に取材を重ね記事にしたものでしたが、ここでは原発内部で起きたこととそれに対処する人たちの緊迫の記録が綴られています。生死の境、書名のとおりまさに「死の淵」でのぎりぎりの奮闘の記録です。海水を注入して注入して、ぎりぎりのところで最悪の事態を防いでくれたことを改めて知らされました。

最悪の事態とは、

一つの原子炉の圧力容器が爆発すると周辺は近づけなくなる、爆発してない原子炉も冷却作業できなくなって暴走。人が近づけなくなるのは福島第二原発もどうようでまた原子炉の冷却が出来ずに暴走。計10基の原発が爆発、チェルノブイリの10倍という大惨事。

だそうです。そういった中で力を尽くした人たちがまたすごい。「おわりに」では著者の思いが改めて綴られていました。

これもまたおすすめの一冊です。

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