日別アーカイブ: 2007年3月7日

学びの会その2-畝の修復

 まず見せていただいたのは、少し高すぎる畝を低くする作業だった。自然農の田畑では数メートル幅の畝をつくる。人はもっぱら畝と畝の間の溝を歩く。これは人間が踏み固めて地表の生物の世界を破壊しないためらしい。畝の高さが違うと土の乾燥具合も違ってしまうとのことだった。

 この作業のためには、まず表面の草を含めた極々薄い層をいったん脇に寄せる。その下の土をスコップ等で薄く削り取る。削り取った後、先ほどはがした表面の薄い層をまた削り取った土の上にかぶせてやる。削り取った土は畝の低い部分に入れて平らにするのだが、ここもやはり先に表土をうすく剥ぎ取ってから土を入れ、その上からたたく。また剥ぎ取った表土で覆ってさらにたたいてやる。冬の強い季節風のために表土が失われることを防ぐ意味もあるらしい。また地面に直接日光に当たるのを防ぐことで寒暖の差が大きくなることを防ぐ意味もあるそうだ。

 溝の土を掘って深くする場合もやはり表面をはいでからとり、あとで表面を戻していた。溝の深さは、田んぼの場合粘土層を傷つけない程度、畑の場合は浅くてよいとのことでした。

 表層の生き物の世界を本当に大事にして、そのダメージができるだけ少なくなるような配慮がいたるところであり、そうすることが全く自然なことのように身についている、そんなことに驚かされた。