日別アーカイブ: 2006年4月7日

大それたこと?

先生の指導が始まる前に退団してしまった先輩がいた。純粋な方で、自己の求めるものに照らし合わせて、その頃の合唱団に失望してしまったということのようだった。秋になってからこの先輩に練習の録音テープを聴いていただいたところ、驚いていた。「短期間によくこんなに変わった」ということらしい。中にいる人間にとっては、自分たちの変化などわからないものだ。私たちにとっては、そういう合唱をしていることがただの日常であったにすぎない。だからこの時初めて、私たちの合唱の客観的な評価を聞いた気がする。

録音の中にはモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」があり、流れてくる演奏に合わせて私が口ずさんだところ、この先輩はまた驚きの声をあげた。「アヴェ・ヴェルム・コルプスを編曲するなんて大それたこと、佐々木先生はそんなことまでするのか」ということだった。この先輩はバッハのカンタータとかその他宗教曲などのミュージックテープ(オープンリール)を買ってきては聴いているような方だった。私はただ与えられた曲、与えられた編曲を何も考えずに歌ってきただけだが、「音楽好きの人はそんなことを考えるのか」と、その頃の私は妙に感心してしまった。

王仁塚の桜

この桜、なかなかの巨木だ。知人の話では、昨年の愛知万博で、NHK館のデジタルハイビジョン映像で日本の四季を紹介している中に、この桜が映し出されていたという。近くにこんな桜があったんだと驚いたそうだ。
「こんな桜が近くにあるらしい。」
「それなら花の咲いている時期に、その方面を車で走ってみれば見つかるだろう。」
と言うわけで、昨日の仕事が終わった夕方さがしに行ってみた。すぐに見つかった。田圃に囲まれた塚があり、その上に巨木が立っている。盆地を見下ろす眺めのいいところに一本たっているこの桜は見事だ。「王仁(わに)塚の桜」という名前も初めて知った。