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学びの会その4-ジャガイモの植え付け

 この地域、ジャガイモ(男爵)の植え付けは3月下旬だそうです。株間30cm、畝間60~70cm。ナス科のものを3年作っていないところに植えるのだそうです。
  ・芽は2本程度残し、残りは(のこぎり鎌で)そぎとってしまう。
  ・芽は植え付けのときに欠けてしまっても、その根元からまた伸びてくるので心配しないでよい。
  ・大きいものは切って植える。昔は切り口に灰をつけたりしたが、特にその必要はない。
  ・切ってすぐより、切れ目を入れておいて切り口が少し乾燥してから植えたほうがよい。
  ・芽を上、切り口を下にして植える。
こんなことが植え付け時の注意でした。


 ひとつの種芋から地上に何本も芽が出てきた場合、土の上から種芋を押さえながら2本くらいを残して芽を欠いてしまう。5月中にこんな芽欠きの作業を行うそうです。


 参加者の一人からこんな質問が出ました。
 「今年のような暖冬には、種まきや植え付けを例年より早くしたりするんですか?」
それに対して三井さんはこんな趣旨の回答でした。
 「そういうことはしません。暖冬な用でも遅霜があったり、結局例年と同じ時期まで油断できません。いくら温かくても霜があたるとダメになってしまいますから。」

学びの会その3-ヤーコンの植え付け

 ヤーコンは見るのも聞くのも初めての根菜です。三井さんが箱の中から株を取り出すと、サトイモのように株にいくつもの芋がついているようなものでした。芋はサトイモよりもみずみずしい雰囲気で、丸い大きな芽という感じのものでした。参加者の一人が「おいしくなかった」といったところ、三井さんの「私は好きですけどね」にはじまり、こうすればおいしいと会員の口から次々と料理法が飛び出した。こんなところがこの会の楽しい一面かもしれません。甘酢漬け・グラタンなどの料理法が記憶に残っています。

 植え付けは畑の枯れ草の中をのこぎり鎌で10cmくらいの深さの穴を掘り、この中に芋(芽)を埋めました。土の上には枯れ草をかぶせ、この作業のしまいの場所には枯れ枝で目印を立てていました。50cmくらい間隔をあけるのだそうです。

学びの会その2-畝の修復

 まず見せていただいたのは、少し高すぎる畝を低くする作業だった。自然農の田畑では数メートル幅の畝をつくる。人はもっぱら畝と畝の間の溝を歩く。これは人間が踏み固めて地表の生物の世界を破壊しないためらしい。畝の高さが違うと土の乾燥具合も違ってしまうとのことだった。

 この作業のためには、まず表面の草を含めた極々薄い層をいったん脇に寄せる。その下の土をスコップ等で薄く削り取る。削り取った後、先ほどはがした表面の薄い層をまた削り取った土の上にかぶせてやる。削り取った土は畝の低い部分に入れて平らにするのだが、ここもやはり先に表土をうすく剥ぎ取ってから土を入れ、その上からたたく。また剥ぎ取った表土で覆ってさらにたたいてやる。冬の強い季節風のために表土が失われることを防ぐ意味もあるらしい。また地面に直接日光に当たるのを防ぐことで寒暖の差が大きくなることを防ぐ意味もあるそうだ。

 溝の土を掘って深くする場合もやはり表面をはいでからとり、あとで表面を戻していた。溝の深さは、田んぼの場合粘土層を傷つけない程度、畑の場合は浅くてよいとのことでした。

 表層の生き物の世界を本当に大事にして、そのダメージができるだけ少なくなるような配慮がいたるところであり、そうすることが全く自然なことのように身についている、そんなことに驚かされた。

自然農学びの会~その1

 3月4日、「長坂自然農学びの会」に行ってきました。この会はもう何年も歴史があるらしいのです。私はこの会の存在をインターネットで知りました。先日このブログに紹介した自然農法の実践的な本「いのちの営み 田畑の営み」を購入させて頂いた方はこの会の世話人のような方で、購入の折りに私はこの学びの会についても聞いていました。「どのような参加でもいいんですよ。実際に自分で手を出して体験してもいいし、ただ見ているだけでもいいんですよ。そういう人もたくさんいますよ。」とやさしく言っていただき、思い切って参加したわけです。


 この学びの会は冬の間はお休みで、3月から毎月1回開かれるのだそうです。見聞きした内容を私自身の頭の中にできるだけとどめるためにも、この時の様子を書きたいと思います。カメラは持っていかなかったので、残念ながら写真はありません。


 当日集まったのは3~40人、駐車場所から集団で会場の田畑へ歩いのですが、まずその広さに驚きました。