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「プロメテウスの罠」

プロメテウスの罠「プロメテウスの罠」
朝日新聞特別報道部 著
学研パブリッシング

図書館にありました、シリーズもので8冊くらい。福島の原発事故にかかわる朝日新聞の連載記事を書籍にしたもので、読み応えがあります。我が家は毎日新聞、ですから全く白紙で読んでいます。

未曾有の大惨事、事故による混乱ぶり、リアルです。危機に陥った時の対応は難しいのですが、社会の様々な機関がうまく機能しなかったことも重い課題。

それから「原発」はまだまだ確立された技術ではないんだなという印象も持ちました。取りあえず読んだのは一冊だけ、読み進めてみようと思います。

「金融探偵」

金融探偵

「金融探偵」
池井戸 潤
徳間書店

またまた池井戸作品。読み終わってから大分日が過ぎてしまいましたので、ちょっと印象が薄れてしまいました。銀行をリストラされた主人公が就活の合間に金融に関わる探偵業、なんてちょっと格好いい設定ですがじつのところはさえない探偵。結構相手にいいようにやられてしまったりで、半沢直樹とは大違いです。でもそんなさえない探偵ぶりがまたおもしろかった。

「真夜中のパン屋さん」第3作

真夜中のパン屋さん3「真夜中のパン屋さん」
午前2時の転校生
大沼紀子
ポプラ文庫

シリーズ3作目、主人公:希美のクラスに腹話術を操る転校生が登場。このシリーズは悪い人のように見えても、人物の描写をすすめていくと決して憎めない人に変わっていくのが特徴かもしれません。

主人公が幼い頃の記憶をなくしている、そのあたりがこのシリーズのこれから描かれていくところかもしれません。主人公を他人に預けてしまった母親も再び登場してきました。続きもおもしろそうです。

「サラバ」

サラバサラバ 上・下
西加奈子
小学館

図書館の平台にのっていた本、直木賞の最新受賞作です。初版が昨年11月3日という新しさ。

主人公は両親・姉との家族、幼い頃からいわゆる家族らしさとは遠い姉・母に加え両親の離婚など鬱屈したものを抱えながら成長する主人公の心の物語。舞台はイラン・大阪・エジプト・東京と国際色豊かです。重たい小説ではありますが、個性的な本でした。

「真夜中のパン屋さん」~午前1時の恋泥棒

真夜中のパン屋さん2真夜中のパン屋さん
午前1時の恋泥棒
大沼紀子
ポプラ文庫

シリーズ2作目です。真夜中のパン屋さんにあらわれた女性一人、この女性からつながるトラブルの解決にこの1冊を費やしてしまいました。今回のキーワードは「結婚詐欺」、随分乱暴に次々と展開しますが、最後はまたうまくおさめてしまいました。

営業時間が何故真夜中なのか、2作目でもまだ語られていません。でも主人公の一人:希実と店主:暮林の亡き愛妻との繋がりをちょっとほのめかして、自作への期待をにじませて終わりました。3作目も読まなくては。

「真夜中のパン屋さん」

真夜中のパン屋さん

真夜中のパン屋さん
大沼紀子
ポプラ文庫

これはテレビドラマ化されていましたね。その時の印象も好かったこともあり、図書館で見かけたので借りてきました。

若い男二人で始めた午後11時から午前5時まで営業しているパン屋さん。そこに女子高生が転がり込んで、この3人が主人公です。一話一話がやってくるお客さんのこと、それぞれが育児放棄、万引き癖、ニューハーフ、ストーカー的行為等々現代の病理を抱えていて、それを主人公たちがやんわりと受け止め温かいおはなしに仕上がっている感じです。主人公3人にもそれぞれ抱えているものがあり、このお店を開くまでのことが語られています。

でも営業時間が何故真夜中なのか、まだ語られていません。続編も読んでみようと思います。

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「太陽の坐る場所」

太陽の坐る場所「太陽の坐る場所」
辻村深月
文春文庫

今年の一冊目です。著者は山梨出身の若手作家で3年前に直木賞を受賞、山梨では時の人となりました。そして昨年は「太陽の坐る場所」の映画化、そこで読んで見ることにしました。

F県というのは山梨県かな、そして舞台の高校は作者の出身校を勝手に想像してしまいます。地元テレビ局・・・・あそこか、なんてことも。

高校時代のクラスメートが、章ごとに「出席番号○○番 誰々」とうたって登場します。その人物が主人公という視点で描かれているのも個性的。多くの登場人物が音信不通となるのですが、そのままで終わってしまうのも不思議。姓と名が同じ人物が登場したり、名が同じ人物が登場したり、後になって「ああ、これはこちらの人だったか」なんてことも。人物の描写も若い感覚なのかもしれません。最後まで興味深く読みました。

「神様のカルテ3」

神様のカルテ3

「神様のカルテ3」
夏川草介
小学館

またまた続編です。
ここでも松本の本庄病院の若い内科医:栗原一止の日々が語られます。前半では前作で亡くなった先輩医師の穴埋めにやってくる女医さんのこと、そして主任看護師と患者さんのこと。後半では民間病院での医療の厳しい現実と医者の医療技術を更新していくことの難しさの重いテーマを描いている。冷徹であるかのような女医さんもまた医者としての自己に厳しい人であり、医者・看護師・患者・主人公の家族とアパートの住人、多くの人が絡み合う素晴らしいヒューマンドラマでした。

主人公は「草枕」をいつもポケットに忍ばせているほどの漱石好き。そういえば私はまだ「草枕」を読んだことがありません。図書館で日本の古典文学の棚などほとんど見たことはないのですが、今度はそちらへも目を向けてみようかなと思います。

鹿教湯温泉の氷灯籠や国宝仁科神明宮など信州の美しい風景の描写にも惹かれました。ここに描かれている場所も一度訪問してみようかとも。

「ビブリア古書堂の事件手帖5」

ビブリア古書堂の事件手帖5
~栞子さんと繋がりの時~
三上 延
メディアワークス文庫

 

読みました、シリーズ5作目。

今回登場した古書は、『彷書月刊』・手塚治虫『ブラックジャック』・寺山修司『われに五月を』。『彷書月刊』も寺山修司も知りませんが、『ブラックジャック』はわかります。多少でも知っている本の話になるとやはり親近感が持てます。そして特定の作家・作品を愛しコレクトする人の姿、こんなふうにこだわっている人がいるんだと感心してしまいます。主人公二人の関係も少し進展、また次号に楽しみを残して終わりました。

第6作の発売、もうすぐです。図書館にはすぐ入れてくれるのかな。

「神様のカルテ2」

神様のカルテ2

「神様のカルテ2」
夏川草介
小学館

 

「神様のカルテ」にも続編がありました。一冊目がよほど好評で売れたのでしょう。

長野の民間病院で奮闘する若い医師:一止とその周辺の話、この続編では特に医師とその家族がテーマのようです。主人公夫婦のことだけでなく、同僚医師の仕事と家族の狭間のこと。病気で倒れた先輩医師とその夫人のこと。厳しい医療の仕事と一家庭人としての悩み・苦しみを背負いながら、そんな中でも素晴らしいヒューマンドラマが展開します。

この本もおすすめしたい一冊となりました。