中学に入学した吃音症を抱える主人公、人前で話すことに恐怖感をもっていてホームルームでの初めての自己紹介も保健室へ逃げてしまう。「話すことが上手になれる」という誘いで放送部へ入部。優しい先輩、親身になってくれる同級生、家族、先生といろいろな人の温かさの中で抱えているものに向き合っていく。
主人公の心の内をよく表現しているなとも感心してしまいました。よい本に出会えました。
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走行中の赤松運送のトラックの車輪が外れて母子連れを直撃し、母親は死亡という事故が起きた。メーカーの赤松運送の整備不良が原因との調査結果で警察の家宅捜索を受けるが、家宅捜索では赤松運送の落ち度は発見されない。顧客は離れ、被害者からも訴えられる。メインバンクからの冷遇、社長:赤松の子どもたちもまたいじめを受けるなど仕事も家庭も窮地に立たされる中で、構造的欠陥を疑い赤松は独自に調査を始める。
大企業の横暴に中小企業が立ち向かう構図、財閥系の数年前にリコール隠しが発覚しているホープ自動車、親会社のホープ重工、東京ホープ銀行等々現実にある社会構図を取り込んでいてまた面白い。そして最後はスカッと終わってくれる池井戸作品、今回も楽しみました。
主人公は高校生の時たまたま先生に頼まれて、体育館のピアノに調律師さんを案内をすることに。初めてみる調律の世界に惹かれて調律師の道にすすむことになる。
純正調、平均律なんて言葉を度々耳にしてきた私には我が家に来る調律師さんの作業にも興味津々です。そんな私もピアノの調律は音の高さを整えるだけの作業と思っていたのですが、それだけではない奥深い世界のようです。ピアニストとともに音楽を作り上げていく人のように思えてきました。
調律時にあらわになるピアノの内部、きれいに並んだ木製のハンマー、ハンマーの先端に付いているフェルト、鋼製の弦、弦を支え調整するために林立するピン、そしてそこから流れ出る響きの世界、そんな世界を「羊と鋼の森」と名付けたようです。
昨年の本屋大賞作品、ピアノの世界がいいなと思える一冊です。