払沢は県道196号と197号が交差し、交差点付近には役場・小中学校・図書館・スーパー等が集中する村の中心部です。鏝絵蔵は県道197号の北側に集中しています。
払沢1
払沢地区の最北端に位置するこの蔵には福禄寿、珍しい。かなり古いもののようで柔らかい微笑みを含んでいるような表情が印象的。
払沢2
県道沿いに払沢1の蔵を南下するとすぐに二つの蔵が並んでいます。しかも両者の丑鼻はデザインも配色もそっくりな大黒様、同じ左官さんの仕事なんでしょうね。払沢の鏝絵を代表する光景です。でもよく見るといくらか違いを見つかりますよ。
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南側の蔵は虹梁中央に龍の鏝絵が、親子の左官さんの仕事で丑鼻はお父さん、虹梁は息子さんの仕事だったそうです。
払沢4
この蔵は茅野市駅近くに鏝絵美術館もあるこの地の名匠:小川天香さんの手による原村で唯一の蔵です。丑鼻は絵柄ではありませんが、蔵の表側出入り口と裏側窓に繊細な鏝絵の数々。
払沢5
この蔵は両面の丑鼻に鏝絵が施されています。いずれもネット越しの干渉になりますが、東側はミョウガかな?小淵沢にも同様の絵柄の鏝絵がありました。西側は龍を描いたモノクロながら立派な鏝絵。
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蔵の形に見事に刈り込んだ防風の生け垣がきれいです。 その見事さは原村随一。
丑鼻には「波に鶴」、蔵之正面側には虹梁上に「永」の字と「波に鶴」、左右には向かい合うように「波に亀」がいずれも色をつけない漆喰の白で印象的に描いています。
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明治40年につくられた蔵。丑鼻には「NOAKE」と横文字、今でこそローマ字も違和感を感じませんが、当時としては斬新なものだったんでしょうね。虹梁上には左右に白漆喰で鏝絵があります。右側は「波に亀」。
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亀の鏝絵の蔵。遠くから見える牛場なの鏝絵は黒地に白で水を表現し、亀が2匹描かれています。資料によるとこれは明治に建てたれた蔵だとのこと。このお宅には蔵が2棟並んで建てられており、これは西側の蔵。そして東の蔵は外からは見えないのですが「波に亀」、いっそう精密に描かれています。屋根・壁に囲まれていて大切に保護されていますが、中に入れて見せていただきました。
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こちらの蔵には東西に思い切ってシンボル化した鶴と亀がありました。
払沢10
この地区の最西端に位置する鏝絵蔵。丑鼻には年代物の「波に鶴」、虹梁正面にはカラフルで楽しい「恵比寿・大黒」、虹梁横のこれは「結び若葉」と呼ぶらしい。
払沢11
きれいに塗られた大きな蔵、丑鼻には袋に入る白鼠の群れ、人物の頭巾・袴の緑、デザイン・配色ともに新鮮です。表側、虹梁には波の中に数多くの亀がちりばめられ、その上方だしの部分には珍しい竹と筍の鏝絵。裏側の窓にも鶴が描かれています。
払沢12
こちらの蔵の丑鼻には珍しい図柄の「鶴に乗る翁」。上の写真は現在、そして下は2年前。化粧直ししたようです。
払沢13
こちらの蔵は大分古そう、丑鼻には俵に載った大黒様。老朽化が進んでいるためか鮮明さは欠けますが、これはこれで味わいが。
払沢14
鏝絵教室に参加した家人が自ら制作した鏝絵。宝船はブラスチック製の物を埋め込んだのだそうです。制作したこの家の方が楽しそうに話してくれました。
払沢15
鶴に乗った福禄寿です。福禄寿の持つ巻物には日露戦争の功労を受賞した記念の文字がはいっているとのこと。
払沢16
少し遠くからの観察、庭木の隙間から大黒様をみることができます。
払沢17
少し離れて中学校近くにも鏝絵発見。ここも残念ながら道路から遠く、にこやかな大黒様。
払沢18
払沢集落としては最も東側、県道17号線に面した蔵です。「鶴と亀」、真新しくて色鮮やな美しい作品です。