秋になると週一回の先生の指導も厳しさを増してきた。だからこの時期の印象は夏合宿の時のような明るいイメージではない。10月だったか11月だったか、多分2泊3日だったと記憶は定かではないが、そんな時期に秋合宿が行われた。もちろん最初から最後まで先生の指導で練習が行われた。会場は大学から10kmほど離れた勤労青年センターで、ここでは食事も食堂にまかせきり、炊事当番が練習を抜けるということもなく、短期間であったが練習に集中できた合宿だった。演奏会に向け、ここで一段と音楽が高められていったのだろう。
この合宿には、先輩が高価なカセットデッキを持ち込んで録音してくれた。このときの録音は、定期演奏会のプログラムと全く同じ順序に記録されている。演奏会からかなり前だったと思うのだが、すでに先生の頭の中にはプログラムができあがっていたようだ。