主人公は高校生の時たまたま先生に頼まれて、体育館のピアノに調律師さんを案内をすることに。初めてみる調律の世界に惹かれて調律師の道にすすむことになる。
純正調、平均律なんて言葉を度々耳にしてきた私には我が家に来る調律師さんの作業にも興味津々です。そんな私もピアノの調律は音の高さを整えるだけの作業と思っていたのですが、それだけではない奥深い世界のようです。ピアニストとともに音楽を作り上げていく人のように思えてきました。
調律時にあらわになるピアノの内部、きれいに並んだ木製のハンマー、ハンマーの先端に付いているフェルト、鋼製の弦、弦を支え調整するために林立するピン、そしてそこから流れ出る響きの世界、そんな世界を「羊と鋼の森」と名付けたようです。
昨年の本屋大賞作品、ピアノの世界がいいなと思える一冊です。