木挽町のあだ討ち
永井紗耶子
新潮社
今年の直木賞作品、図書館の司書さんに薦めていただきました。
父殺しの元下男の仇討ちを誓って国を出て江戸にやってきた美少年若侍:菊之助はみごと宿願を果たして帰って行った。その国元から別の若侍が仇討ちの証人を求め舞台となった芝居小屋が建つ町:木挽町をたずねる。木戸芸者、殺陣の指南役、衣装の支度や繕いをする女形、小道具の夫婦、戯作者と仇討ちの目撃証人に仇討ちの模様だけでなく証人の周辺の事情も聞いて歩き、理不尽に仕組まれ実行に追い込まれた仇討ちの実像を徐々に露わにしていく。芝居小屋周辺の人間模様もおもしろい。
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