梨大夏合宿の感想1

M.Y.

 ハーモニーは本当に不思議な力を持っています。美しいハーモニーを聞いていると身体にはいっている、余計な力がスッと抜けていくような気がします。
今年の梨大の夏合宿には五日間参加させていただき、そのあいだ大学のことも忙しい毎日のことも忘れて美しいハーモニーにひたることができました。
春合宿も少しだけ見学させていただきましたが、あの合唱を聞くたびに現実にこのような響きがあるということが信じられないような気がしてきます。たしかにこの耳に聞こえてくるのですが、夢を見ているような感じになるのです。
合唱はいいです。みんながお互い聞き合ってひとつの音楽をつくっていく。競争も自己主張もなく、評価されることもなく、ただ自分たちのために歌う。
私は音楽は好きだったのですが、一人でピアノを弾いていると、今でもやりきれない気もちになってしまいます。音大のレッスンのつらかったこと、絶対音感が無くてみじめな思いをしたこと、そんなことが条件反射のように、ピアノを弾くと頭に浮かんできます。また自分の気質や性格のことが気になったり、自分には音楽性というものがないのではないかと不安にあんったり、どうかすると自己否定までしたくなるようなマイナスの感情と戦っているような状態で、理想的なレッスンをしていただいているのにとても音楽をたのしむところまではいっておりません。
けれども合唱は何もかも忘れさせてくれます。子どもの頃から自分は一人だということがいつも頭の中にありました。それはあたりまえのことですが、時々恐ろしくなりました。ピアノを弾く時も一人です。でも合唱をしている時は、やっぱり自分は一人だけれども一人ではないような気がします。

悪い声でも小さい声でも、ハーモニーに溶けこんでいる限り、どの人の声も必要とされている・・・・、この私の声も・・・・と思うと一生懸命聞いて一生懸命歌いたくなります。美しいハーモニーには理屈ぬきで感動しますが、合唱を好きなのはそういう理由もあります。
私たち見学者には良いことばかりの合宿でしたが、梨大のみなさんにはいろいろ気を使っていただいたり、ご迷惑をかけたりして申し訳なく思います。それから民宿の人はたいへん親切な方で、五日間最初から最後まで気持ちよく過ごせました。ただ食事には少し困りました。菜食主義とまではいきませんが、子供のころから肉や魚はきらいで食べませんでした。好意でごちそうしてくださるのでいただきましたが、あの時は胃が少しおかしくなりました。来年から圧力釜持参で行って玄米を食べるという話がでていますので、たのしみにしています。
その他にも、朝のマラソンや湖まで散歩に行った事、民宿でスクールコーラスを歌ったり、話をしたり、ヨガ教室まで始まった事たのしい思い出はいっぱいできました。たのしいだけでなく、考えさせられるような事もあり、充実した五日間でした。
讃美歌の合唱に送られて帰る時には後ろ髪を引かれる思いでした。梨大のような合唱が日本中、どこででも聞く事ができるような世の中になったらすばらしいと思います。私もはやく分離唱を広めるお手伝いができるような人間になりたく思います。
手のかかる生徒ですが、よろしくお願いします。
今回はすばらしい体験をさせていただきありがとうございました。

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