カテゴリー別アーカイブ: 環境

「タネの未来」

タネの未来「タネの未来」
~僕が15歳でタネの会社を起業したわけ~
小林 宙
家の光協会

 F1というタネのはなし、遺伝子組み換え(GM)作物のはなし、伝統野菜の種(しゅ)が減っていくというはなし、様々な野菜の種にまつわるはなしをわかりやすく解説していく。都内に住みながら群馬に畑を持ち、野菜を育てて販売もする。そして伝統野菜の種を守ろうとタネの会社まで立ち上げた。自身に食物アレルギーを持ちながら、こんなにも野菜の種を考え、行動し、そして冷静に論じていく高校生、すごいなと思います。またそんな彼を育て見守りてきた家族にも感心していまいました。
近い将来、採種を禁止する法律ができるかも知れないという。野菜を育ててタネをとり、そのタネでまた野菜を育てる。そんな当たり前の生命の輪廻を取り上げられてしまう怖いはなしだなと思うのですが私たちはそのことに無自覚に来てしまいました。私たち大人もこの食の根本問題に向き合わなければ・・・・。

杜づくり講座

市が主催する「杜づくり講座」に参加してきました。参加者は15人ほどで、まれに見る盛況だそうです。私としては実家の山林や既に木が立っている耕作放棄とをどうしようかとの思案の中での参加です。参加者はほとんどがチェーンソー持参で、みなさん薪ストーブの愛用者、ストーブ用の薪を自前で作るための参加のようでした。私はもちろん自前のチェーンソーなし、主催者側の機械を借りての作業でした。

内容は午前が薪割り、チェーンソーのメンテナンス、玉切り。午後が里山の資源活用。

薪割りは斧を使ってのものと電動薪割り機を使っての両方を体験。斧での薪割りはかなりコツがいるようで、体力も消耗します。それに対して電動薪割り機、便利ですね。ケガに気をつけさえすれば楽な薪割りです。でも斧での薪割りでスパッと割れたときは気分爽快!

チェーンソーのメンテナンスは、ソーチェーンの種類や刃の研ぎ方の説明など。日々のメンテナンスが大切なのだそうです。毎日使用後には燃料を抜き取ってからなおエンジンが止まるまで空運転して完全に燃料が無くなった状態にするのだそうです。「始動動作を3回やってかからなければその機械はもうダメ!」との厳しいおことばでした。

玉切りでチェーンソー初体験、防具をつけて安全上の注意のあと一人一人順に玉切り。パワフルなものですね。刃が切れ目に挟まって動かなくならないように、くさびを打ち込むことなども教わりました。

里山の資源活用は班に分かれて伐倒と玉切り、山の斜面に切り倒してあるものを足場の良いところまでロープを使って引き下ろし、残っている小さな枝を払ってから所定の長さにチョークで印をつけて、そこで玉切り。伐倒は、われわれ初心者としては見るだけでした。細い木のようでも地面に落ちるときには大きな音がして、迫力があるものです。

終了後は玉切りしたものをもらって帰ってきました。参加者には全員保険がかけられていたそうです。結構危険のある作業、素人としてはちょっと考えてしまいます。

 

彼岸花群生地の保護

以前書きましたが、私たちが住んでいるすぐ近くに彼岸花が自生しています。水田用水路の土手、林の中など立派な群生です。

彼岸花花盛り
http://susuki.chips.jp/?p=2150

でも葛の蔓などが繁茂して、せっかく咲いているのに見えない彼岸花も多くとても残念に思っていました。そんなことを先日おはなしを聞いた里山再生に取り組んでいるオオムラサキセンターの館長さんにおはなししたところ、その現場を見に来てくれました。

%e5%bd%bc%e5%b2%b8%e8%8a%b1%e3%81%ae%e4%bb%8a1私は花のないこの時期の彼岸花の様子をはじめてみましたが、あおあおとした細い葉が元気よく茂っています。

%e5%bd%bc%e5%b2%b8%e8%8a%b1%e3%81%ae%e4%bb%8a2葛も枯れて葛の葉や蔓に隠れていた彼岸花の様子もよくわかりました。この時期でも水路が隠れて見えないほど、夏の状況を想像していただけるでしょうか。

 

館長さんにもここの群落には感心していただき、なんとか保護活動をしたいということになりました。5月頃と花の茎が出てくる前の8月頃と2回草刈りをしたいなと。近くに農作業をしている方がいましたので話しかけたところ、水路を管轄する地域の区長さん、林の所有者など教えていただくことが出来ました。これらの方に事前に了解をいただいて、来年は活動してみようと言うことになりました。

貴重な群落自生地をよい形で育てていきたいものです。

「里山再生とオオムラサキ」

八ヶ岳自然ふれあいセンター主催の

八ヶ岳の環境と文化を学ぶ講座
第1回
「里山再生とオオムラサキ」

を聞いてきました、講師は北杜市オオムラサキセンターの館長さん。この方はオオムラサキセンター内にとどまらず、昆虫等が生息するための里山再生に力を尽くしている方です。

はるか昔、パンゲア大陸の話から始まりました。「太古の時代、地球上のひとつの大陸であったパンゲア大陸から現在の各大陸に分かれた、離合を繰り返して現在の7大陸がある。大陸が分かれてそれぞれの環境で生物は進化を遂げた。でも生物種には進化の早いものと遅いものがある、蝶の世界に限っても進化の早いもの遅いものがある。」とのこと。

植物相が豊かであれば動物相も豊かになる。八ヶ岳山麓は湧水が豊かだが、そうすると水生昆虫が豊かになる。

森林性チョウ・草原性チョウは森林・草原の手入れをしなければ個体が減ってしまう。

里山林の管理活動・・・・下刈り、薪炭材の切り出し、落ち葉かき、キノコ狩りなど
草原の草生活動 ・・・・草刈り、火入れ、飼い葉
水田の維持管理

我々日本人は生活の中でこういった活動をし、里山・草原、そして水田などを管理してきたけれど、現代の社会はその管理を放棄してしまって昆虫の成育する環境が極端に減少している。そこで里山再生の活動を、と飾らない口調で熱くはなしてくれました。

自然を取り戻す活動、魅力的です。

%e3%83%81%e3%83%a7%e3%82%a6%e3%81%ae%e6%a8%99%e6%9c%ac標本を見せてくれました。左上の二つがオオムラサキ、左が雄で右が雌です。
右上の大きなチョウはナガサキアゲハ、南国のチョウが見られるのは温暖化の証拠とか。

温暖化論のホンネ

温暖化論のホンネ温暖化論のホンネ
「脅威論」と「懐疑論」を超えて
枝廣淳子・江守正多・武田邦彦
技術評論社

 先日、枝廣淳子さんの「持続可能で幸せな地域へ」と題する講演を聞きました。原発等の地元での推進派と反対派の対立はよく聞くことですが、この方は両者の対話の場を作り出すことを何度も手がけているとのことでした。主張が融和することはなくとも互いの主張に理解を示すことは大事なことだと。そして温暖化について懐疑論の武田さんとのことなども、そしてこの本のことも話題に上がりました。温暖化研究者の江守さん、そして武田さんと環境ジャーナリスト:枝廣さんの鼎談の本。武田さんは「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」のシリーズなど刺激的なネーミングの本が出ており、私も若干は読んだことがあります。このかたの理詰めで論じている「懐疑論」に「脅威論者」の二方がどのように対応するのか興味深く、図書館で取り寄せていただいて読んでみました。

読後感は・・・・、あまり言いたくはないですね。理解できるところもあるけれど。T氏の毒気にあてられてしまった感じです。後味は・・・・、あまりよくないな~。と、これだけにしておきます。

子ども環境フェスタ

子ども環境フェスタ

子ども環境フェスタ2014に行って来ました。あいにくの雨天でしたが、市営体育館内での催しでした。この地元にいながらもはじめての参加です。

体育館のフロアには多くの出展がありました。リサイクル品の販売、太陽光発電設備業者、キープ協会、甲府地方気象台、化粧品会社等々。

そして私達の団体は雨水利用に関する展示です。店番は二人。内容は雨水利用の意義や貯水のための解説、そして雨水タンク実物の展示。これは容量200リットルの青いプラスチック製のもの、ドラム缶のプラスチック版といったところです。この上下に穴を空けて金具をつけ、すぐに貯水槽として使えるものです。これに子ども達が好きなこと・好きな絵を書き込めるようにとマーカーを用意しました。落書きができるというのは、子ども達にとっては嬉しいことのようです。次々と子ども達がやってきてスタンプラリーにスタンプを押すと、当然のことのようにマーカーをとって雨水タンクに何か書いていきます。私にとっては知らなかった子どもの姿を発見させていただきました。

この3個のタンクはスタンプをためたお客さんに抽選でプレゼントされます。しかし、当選されたお客さんのひとりは「持って行けない」と、何せ大きいですからね。そこで知り合いに声をかけてプレゼント先が決まり、私達も無事展示を終えることができました。楽しい一日の催しでした。

 

環境教育指導者研修会(その2)

今回の研修のメインは3の「環境教育プログラムの相互指導」です。

1でのプログラム体験はその前段階、この後「さあ、あなたたちが指導するんですよ。」というわけです。6人の班をさらに2人づつのペアに分け、午前に行ったように約1時間半を20分づつ受け持つというものでした。事前にそれぞれのペアにテーマが渡され、それに沿って計画を立てプログラムシートを書きます。指導員の方が相談に乗ってくれるのですが、質問によっては「それはあなた方が自由にどうぞ」と言われてしまうこともありました。1時間の準備の時間の後、本番です。私達は3番目、1番目のペアの指導がスタートしました。

 

最初のプログラムは「葉っぱじゃんけん」というもの。でも最初には自己紹介の時間をいれたりと、プログラムの導入もなかなかのものでした。そして本題、「5分ほどで5種類の葉っぱを集めてくるように」と指示がだされ、そして再び集合しました。この時一人のかたが漆の葉をとってきてしまい、指導員の方が持参した水でその方の手を洗ってくれました。すぐに洗うとかぶれないのだそうです。さて、ゲームです。この5枚の葉っぱをもって2人が背中合わせになり、勝負の基準を決めてから「じゃんけんぽい」ではなく「はっぱっぱ」のかけ声でお互いが見えるように葉を出します。最初は長い方が勝ちというルールでまず一度。それから相手を替えながら3回勝負、一回ごとにリーダーが勝ちルールを決めてから行います。勝ちルールに沿って手持ちの葉っぱの中からじゃんけんに出すものを選んで出す、ちょっとした緊張・スリルの時間です。このプログラム、楽しみながら多くの葉っぱ・植物に親しむという趣向のようです。このプログラムが終わったところでリーダーの反省点、参加者の批評、そして指導員の方の指導がありました。一人の参加者として加わる分には楽しめればいいのでしょうが、指導する側としては、葉っぱを取りに行く時間、その行動範囲、漆等への注意、掛け声の仕方、勝ちルールそれぞれの問題点等数々の考えや改善点があげられました。

リーダーが交替して2番目のプログラムは「植物命名ゲーム」というもの。各自が近くを歩いて植物にオリジナルの名前を付けてきて、その後みんなでその植物を探してみる、というものでした。「天使のさくらんぼ」「食べ終わったトウモロコシ」等々ユニークな名前が付けられたものを探し回り、これもまた楽しいプログラムでした。

 

最後は私達がリーダーで「俳句ハイク」というもの。私達には事前に1枚の資料が渡され、そのねらいには、

「句という手段を借りて、みんなが同じ時間に同じ自然を見ながらも実は人によって自然に対する感じ方、感性は全く違うんだと言うことを気づいてもらい、またそれぞれの感じ方を否定することなく、共有する心を持つことが地球環境を考える上でとても大事であることを知ってもらう。」

とあります。まずは私達リーダーが見本(?)に一句、指導員の方の話ではこのときの句は「あまりできがよくなくてよい。お茶目な感じがいいですよ。」とのこと。そこでスタートはあおいアケビの実のところにいきプログラム名を発表、相棒の方の句は忘れてしまいましたが「紫に色づいた頃、またここに来たいな」といった趣旨のものでした。そして私は、「ツタウルシ うっかりさわると かぶれるよ」と、自然散策の注意事項をかねてみました。そこから林の中に移動して、ここで短冊と筆ペンを渡し数分の時間で皆さんに発句をお願いしました。頃合いを見て円形に集合していただき、それぞれの句を解説付きで発表してもらいました。みなさん指導者講習会に参加するだけあってなかなかの句でした。でも中学生が対象だったりするとこの俳句に取り組ませるのはなかなか大変だったりするそうです。最後にこのプログラムについてそれぞれの感想、相互指導があり、指導員の方からの助言をいただきました。「句を練っているあいだリーダーは見て回って時には声をかけるなどの配慮を」「発表会は地面に座って落ち着いてやってもよかった」など。私としては「リーダーになりきっていなかったな」と反省です。

 

このあと全員が研修室に集まってもう一度反省会のようなもの、そして講義、最後に折角の機会なのでと全員が簡単に自己紹介をし、会が終わったのは午後6時ころ。初めて経験した自然体験型の環境学習プログラム、充実した一日が終わりました。

環境教育指導者研修会(その1)

山梨県環境教育指導者研修会というものに参加してみました。会場は山梨県八ヶ岳自然ふれあいセンター、八ヶ岳のふもと、山梨県としてはかなり涼しいところにあります。ここは多くの小学生等を受け入れ、環境教育を実践している施設で、その運営・指導は隣にあるNPO法人キープ協会の方々が行っているようです。メニューは以下の通りでした。

1 自然体験型環境教育プログラム
2 環境教育概論1(環境教育の指導方法)
3 環境教育プログラムの相互指導実習オリエンテーション
4 環境教育プログラムの相互指導
5 環境教育概論2(指導方法のポイント)
6 まとめ

 まずは私達受講者が1時間半ほどの環境教育プログラムを体験しました。6人ほどの班に分かれ、各班に2人の指導員がついてくれて野外に出かけました。

ツタウルシ

まずはツタウルシを見せていただき、ウルシのこと、スズメバチに遭遇した時の心構えなど野外活動の際の安全面の注意などを教えていただきました。「折角だから草笛もやってみましょう。」と草笛体験、音色の善し悪しはともかくとして音は出る者ですね。それから林の中のウッドチップを敷き詰めた歩道を鼻先に手鏡を持って林の上を逆さに長めながら芋虫のように進み、変わった角度での森の風景を体験。草地では間近に八ヶ岳の峰が見え、青空の白い雲に秋が近づいている気配を感じました。まだあおあおとしたアケビの実を見て再度林の中へ、ここでちょっとしたゲーム(課題)が課せられました。ガラスマウント(フィルムのスライド投影に使われたフィルムの入れ物 )に自然の中にあるものをはさんでミニアートを作るというもの。所定の時間内に作成して持ち寄り、円形に集まってそれぞれの作品を回して鑑賞しました。

スライド

私は葉っぱのみでの作品でしたが、それ以外の物もはさんでカラフルな作品も多く、センスと同時に思考の柔軟性も私よりも豊かだなと感心してしまいました。

一文字

最後に10cm角ほどの紙とペンが渡され、「今回の体験で感じたことを一字で表わしなさい」との課題が出されました。やはり円形に集まって一斉に前に差し出し、そして一人一人その思いを発表しました。
この自然体験型のプログラム、「森のスライドショー」と名付けられていました。楽しく自然と触れ合う工夫が凝らされたものでした。

環境教育シンポジウム

「山梨県環境教育シンポジウム」
8月21日(木)13:00~16:15
甲府市総合市民会館 芸術ホール

があり、聞いてきました。プログラムは以下の通りです。

1 開会
2 主催者あいさつ
3 基調講演 C.W.ニコル氏「森が教えてくれること」

4 パネルディスカッション「次世代のための環境教育の提案」

パネリスト

C.W.ニコル氏
尾見康博氏(山梨大学大学院教育学研究科教授)
鈴木義光氏(環境省総合環境政策局環境教育推進室長)
堀内一義氏(山梨県富士山科学研究所環境教育・交流部主幹)

コーディネーター

増田直広氏(公益財団法人キープ協会環境教育事業部長)

5 やまなし環境教育等推進行動計画の紹介
6 閉会

 今回の売りは何といってもC.W.ニコル氏でしょう。パネルディスカッションのパネリストでもありました。
ニコル氏の講演は以前にも聞いたことがありますが、今回も氏が管理している「アフィンの森」の美しい映像を見せながらのニコルさんならではの世界を聞かせてただきました。最後には東北・被災地:宮城での「森の学校」開校への取り組み、これも映像つきで紹介されました。

パネルディスカッションは、まずパネリスト3氏が15分程度のお話をし、休憩を挟んで後半は聴衆側からの質問に答える形で行われました。質問は前半の話を聞いて休憩時間に質問用紙に記入したものを集めて、それに答えるというものでした。
鈴木氏のお話の中では、今年11月にESD世界会議が名古屋で開催されるが国民にあまり知られていない、啓発が課題といった内容が中心だったかな。私はこの世界会議の存在は全く知らず、さらにはESDということ自体を知りませんでした。みなさんはご存じですかESD。これは、「持続可能な開発のための教育」(Education for Sustainable Development)の略称です。コーディネーターから「知らなかった方?」と問いかけがありましたが大半の方は私同様でした。
尾見氏、プレゼンテーションの冒頭に「趣味としての環境教育」とうたっていました。「過剰に禁欲的なことを他者に要請するのはいかがか?」、「環境教育の多くは最後には『各人の意識が大事』と結論づけるが、そこに息苦しさを感じる」。「エコを趣味と考えたら、趣味は楽しいし他人に押しつけない、途中でやめてもまた再び始めてもよい」といったこと。
堀内氏、所属の富士山科学研究所の紹介からはいり、世界遺産に登録された富士山についての「富士山学習」を推進していること、学校の先生の多忙なことを考慮しつつ学校から依頼しやすい工夫のことなどが紹介されました。

以下後半部分の記憶に残っていることばなどを羅列します。

  • 「自然を良くしながら人が自然(森)に入る」ように。
  • 「エコツーリズムには感動・感謝がなければ・・・・。そして落としていった金が地元のためになること。」
  • 鹿による農業への食害について、
  • 「頭数調査→捕獲しよい頭数の把握→若いハンター養成→捕獲した鹿は食肉・印伝に」
  • 米国ではプロジェクト型の教育を中心に行っている。逆に暗記の知識は乏しい。環境教育はプロジェクト型の教育、皆さん暗記物が捨てられますか?『(環境教育なんかやっても)試験に出ない、受験に役立たない』という批判にあがらうことができますか?
  • 「下草狩りのボランティアを行っているが、周囲に理解してもらえない。」に。趣味と考えれば、趣味なんだから他人はどうであっても続けられる、仲間を増やすことにあまり執着しない方がよいのでは。
  • 環境教育ボランティアを活用してもらうためには、「ここへ相談すればよいという窓口をつくることの重要性」

このシンポジウム、少々迷いはしましたが、やはり「来てよかったな」と充実感の残る時間でした。コーディネータの増田氏、自然体験型の環境教育を組織的に実践しておられるのにこの方のお話をあまり聞けなかったのが残念でした。

猛暑!甲府盆地(つづき)

 一帯が田んぼのなかを探し回っていたのですが、田んぼの水みに来ていたおじさんがいたので尋ねてみました。
    「このあたりに気象観測所があると聞いてきたのですが、どこでしょう?」
    「知らないな、このあたりにそんなものはねーよ。」
 あきらめて中段の田んぼ地からおりてきたところ、また一人農作業をしているおじさんがいたので訊いてみました。でも、
    「そんなものはねーな。自治会の役員をやっているけれど、そんなものがあるなんて聞いたこともねぇ。」
その坂道を降りきったところで見廻してみました。すると田んぼに囲まれて老人介護施設があり、その駐車場の端の狭い部分がが何やら金網で囲われています。田んぼの畦を歩いて近づいてみるとありました、ここでした。駐車場に回ってみると、よく見ることができました。地上ほどほどの高さに白いボックスがあり、これが現代の百葉箱なのだろうと見当がつきます。たぶんこの中に温度計が設置されているのでしょう。百葉箱の海面には「アメダス 韮崎」との表示がありました。そして百葉箱から1~2mほど離れて背は低いですが立派な雨量計が、そしてまた少し離れて高い柱の上に風向風速計がありました。観測所ってこういう感じなんですね。

 翌日の今日、職場でそのことが話題になりました。
 甲府はかなり市の中心街に近い甲府地方気象台の中(庭)が観測点です。このところ話題の甲州市(勝沼)は扇状地の上を走る国道沿いにあり、周囲にブドウ畑は多いでしょうが水は地表からかなり深くを伏流する土地です。それらの観測点と比べるとこの韮崎の地点は水をはった田んぼに囲まれ、稲が水を蒸散させ、わずかながらも温度を低下させる要因があるように思います。
    「日本一の気温を記録して有名になるのにはハンディがあるな。」
との結論に達しました。(笑)
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