「夜空にひらく」
いとうみく
アリス館
母に捨てられ祖母に育てられた17歳の鳴海円人。アルバイト先のコンビニで窃盗事件の濡れ衣を着せられ、はめられた相手に対して暴力事件を起こし傷害罪で家庭裁判所へ送られた。家庭裁判所の審判ではさまざまな事情と家庭環境を考慮した上で試験観察という処分となり、山梨にある煙火店(花火屋さん)に預けられ試験観察の生活がはじまる。人の優しさに慣れない円人が周囲の人の温かい人たちに囲まれ徐々に心をひらいていく。じんわりとこころ温まる物語。
いとうみく作品では「車夫」に通ずるものがあるかな。「車夫」もよかったけでこれもいい。
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